フロンティア・ネットワークで「SF思考で未来を描く」をテーマに合宿を開催しました
2024.08.24
2024年8月24日
株式会社イースクエアが運営するサステナビリティ先進企業のネットワークであるフロンティア・ネットワーク(TFN:The Frontier Network)では、官民で数多くの「SF思考」ワークショップを手がける、宮本道人氏(北海道大学CoSTEP特任助教)を講師にお招きし、2日間の合宿を開催しました。今、注目を集めている「SF思考」や「SFプロトタイピング」についてメンバー企業の十数名が参加して体験しました。
宮本氏のレクチャーでは、SF(サイエンス・フィクション)になぜ注目するのか、今や世界で一世を風靡しているスタートアップの創業者や経営者、国家の指導者などがSFからどのようなインスピレーションを受けてイノベーションを起こしたかなどをご紹介いただきました。そして、「SF思考」が確立されてきた背景や、「SF思考」をどのように実践していくかなどについて解説いただきました。
そのあといよいよ、3チームに分かれて「SF思考」ワークショップの実践です。テーマは「40年後の<不健康>」。「健康」について考えると、ありきたりなアイディアに終始しがちになるということで、敢えて「『不』健康」がテーマとされました。チームごとに40年後のレストラン、温泉、ショッピングモールにおける不健康にかかわる状況について考えました。
カギとなるのは、まず、思い切り発想を飛ばすことです。40年後の未来にあるかもしれない<不健康>に関するテーマについて、思いつく限りのアイディアを出していきました。その後に独自のパーソナルな言葉と組み合わせて、できるだけ面白そうな、造語を生み出していきました。
常識から離れて、ありとあらゆる空想を膨らませていく過程を経たのち、新しくできた概念を現実とすり合わせて研ぎ澄ませていき、実現するための技術を考える論理思考の過程などを連ねていきます。終盤では各人が未来のキャラクターを作り、キャラクターになりきって演じたりしながら、新しいガジェット(製品・サービス・価値など)の素晴らしい点や困った点を評価していきました。未来の社会をその時代の人の視点でとらえる試みを通して、あり得る未来に迫ることができました。
また、ワークショップの進行方法も従来の付箋と模造紙ではなく、全員がPCに向かってGoogleスライドにひたすら書き込み、他の人のアイディアにも意見を付け合う、という効率的かつ効果的な手法が用いられました。
いつもは数カ月単位の期間のなかで、ステップごとに分けて実施していく過程を、今回は2日間に凝縮して、「SF思考」のやり方を体験しました。
参加者からは、「普段の業務とは全く違った視点で未来を描く考え方で非常に斬新であった」「従来の視点にとらわれずに未来を描く重要性を再認識し、特に『バックキャストで考える』アプローチが有効だと感じた」「イノベーションや創造的な思考を促進するための具体的な方法論や、現実社会における実務への応用方法についても学びがあった」「全体を通じて、実践的かつ刺激的な内容であった」などのコメントが寄せられました。