イースクエアでは、日本企業の海外進出の支援を行っています。海外進出をするにあたり、多くの場合、ハードルになるのが海外事業を担当する人材・ノウハウと資金です。海外における市場調査やパイロット事業などを行う際に、公的支援を得て補助金および専門家の支援を活用することができればそのハードルを大きく下げることができます。

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イースクエアでは経験豊富なコンサルタントが企業様の公的支援(補助金)獲得を支援し、事業化を後押ししてきました。一方で、使い勝手のいい補助金は競争率が高く、獲得が容易ではないことも事実です。ここではイースクエアの数多くのご支援実績を基に、補助金の活用および獲得のコツをご紹介します。前編では数ある選択肢の中から応募する補助金を選定する方法をお伝えしましたが、今回の後編では、補助金獲得に向けた企画書の書き方のコツや企画書を書く際の留意点などをお伝えします。

※企業への公的支援や助成は正確には「補助金」ではなく、「業務委託」などの形式が取られることもありますが、ここでは総称して「補助金」と記載することにします

前半の記事はコチラ
海外進出を目指す企業のための補助金活用のコツ(前編)

企画書の書き方のコツ

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補助金の種類によって、企画書(補助金申請書)に記載する内容が異なります。例えば補助金のテーマが途上国でのFS(実現可能性調査)なのか、海外マーケティングなのか、研究開発なのかによって重点を置くべき点は大きく変わってきます。まず公募要領を確認し、公募の事業の目的に加え、企画書にどのような内容を含める必要があるかを把握しましょう。ここでは、多くの補助金に共通する押さえておくべき点をご紹介します。

自社の特徴・強み

補助金の審査側としては、事業が成功しそうな会社に補助金を出したいのが本音です。自社の競争優位をもたらしている特徴・強みはしっかり書きましょう。その企業の主力事業の特徴・強みと補助金の申請内容が関連していて、これまでの強みや成功パターンが活かせそうかどうかは必ず審査されるポイントです。

ターゲット市場

ターゲットとしている市場にどのようなニーズがあり、どれくらいの規模の売上が見込めるのかを説明します。ターゲット市場を取り巻く環境と傾向、全体像、セグメント(ユーザーの年齢・性別・職業などの属性による区分)など、できるだけ詳しく具体的に記載することが望ましいでしょう。公的、民間を問わず、市場の統計データがあれば、より説得力が増します。

課題と目標

何もかも順風満帆な会社・事業であればそもそも補助金は必要ありません。事業のさらなる成長や発展に向けた課題や障壁を明らかにし、会社として将来何を目指しているかの目標をできるだけ具体的に書きましょう。

補助事業の実施内容

前述の課題を解決し、目標を達成するために補助事業で何を実施するかを説明します。補助事業の多くは先進的な企業を支援する意味合いもありますので、先駆的・革新的なアプローチが好まれる傾向があります。また、事業をきちんと実施するための体制(社外協力者含む)があることも説明します。

補助金の予算・使途

補助金を何に使う予定なのかを説明します。補助金は元はと言えば公金ですので、補助事業の目的に沿った予算が適切な金額で計上されているかどうかが確認されます。

補助事業の遂行方法・スケジュール

前述の実施内容に関し、誰がいつまでに何を実施するのか、無理がない効率的なスケジュールをガントチャートなどを用いて示します。

補助事業の効果と将来展望

補助事業を行うことで、自社および社会にもたされる効果を記載します。自社の売上が伸びる、事業規模が拡大して雇用が増えるといった直接的な効果だけではなく、持続可能な開発目標(SDGsSustainable Development Goals)の観点から、環境・社会に対する波及効果が期待される案件が高く評価される傾向が近年強まっています。

企画書を書く際の留意点

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以下は企画書を書く際の留意点です。企画書を審査する人を意識し、分かりやすく読みやすい文章を心がけましょう。

文章は簡潔に

企画書は審査員にきちんと理解されない限り高い評価が得られません。また、企画書の審査は限られた時間で行われますので、文章は分かりやすく、簡潔にまとめる必要があります。申請する補助事業と関係が薄い内容は思い切ってそぎ落とし、すっきりさせましょう。

視覚的に分かりやすい工夫を

文字だけがぎっちりと並ぶ企画書は、たとえ内容が素晴らしかったとしても、審査員にとって読みづらく、理解しづらいものだけです。分かりやすい簡潔な文章に加え、小見出しをつけ、写真や図を加えたり、強調したい箇所を太字にしたり下線を引くことで視覚的にも理解しやすくなります。

平易な表現を使い、専門用語を避ける

誰が読んでも分かりやすい平易な表現を使い、専門用語は極力避けましょう。審査員が自社の業種に精通していることはまずないと考えましょう。自社にとっては当たり前の表現でも、一般人には意味が分からないことはよくあります。どうしても専門用語を使う必要がある場合は、素人でも理解できる説明を加えましょう。

できるだけ定量的に

感覚的な説明だけでは説得力が乏しいため、具体的な数字を使った定量的な表現を心がけましょう。例えば、「生産設備を導入することで製造原価が下がる」と書いても、どれくらい製造原価が下がるのか分かりません。「生産設備を導入することで、同じ従業員数で生産できる数量が倍に増えるため、製造原価が%下がる」と定量的に書くことで具体性が増し、説得力が生まれます。

申請前の最終チェック

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企画書が一通り完成したら、申請をする前に最終チェックをしましょう。下記の2つの観点でチェックすることをお勧めします。

評価項目を再確認

スキームによっては、どういった企画書を高く評価するか、配点も含めて公表されています。その評価項目がきちんと企画書内で表現されているか確認します。もしそういった評価項目が公表されていない場合は、本記事の「企画書の書き方のコツ」を参考にしてください。重要な点を落としていないか、入念にチェックしましょう。

第三者の視点で確認

完成した企画書は、できれば社外の第三者に見せてチェックをしてもらいましょう。第三者が難しければ、できるだけ案件と関わりの薄い社内スタッフに見てもらいましょう。自分ではきちんと書けていると思っている内容でも、事情を知らない他人にとっては読みづらい、分かりづらいということはよくあります。第三者の意見を反映して企画書をブラッシュアップしましょう。

まとめ

本記事では、補助金獲得に向けた企画書(申請書)の書き方のコツについて解説しました。一見取 にくい企画書ですが、いくつかのポイントを押さえれば審査員に高く評価される内容になるでしょう。

事業の構想を企画書に落とし込んでみると、きちんと検討ができていなかった点、組み立てが弱い点が明らかになります。事業プランをブラッシュアップすることができることも補助金活用の一つのメリットかもしれません。

なお、企画書作成にあたり、外部の専門家のサポートを活用すれば、完成度が高まり、採択される可能性が高まるでしょう。自社だけで悩むのではなく、ぜひ専門家サポートの活用も検討してみてください。

イースクエアの公的機関(JICA、環境省、経産省など)スキームを活用した支援実績は以下よりご覧いただけます。
https://www.e-squareinc.com/AchievementList.pdf

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