アフリカと日本の都道府県のGDP比較
2050年にはアフリカの総人口が25億人に達し、世界人口の4分の1をアフリカが占める(国際通貨基金(IMF)予測)といった予測が出ていたり、2022年には日本政府がアフリカへ300億ドルの支援を通じて、アフリカ諸国とより緊密な関係を築くと宣言したり、日本企業にとってアフリカを無視することはできない時代がきています。
一方で、アジアと比べると、距離的にも遠く、情報も少ないため、アフリカの進出を検討する際もどのように選定すべきか迷ってしまうケースも多くあります。実際に検討する際は、経済指標、政治状況、主要産業、言語や文化など、さまざまな項目をもとに考える必要がありますが、今回は大まかなアフリカの経済規模感を掴んでいただけるよう、アフリカ各国のGDPと日本の都道府県のGDPを比較してみたいと思います。
比較対象のデータについて
今回比較対象とするアフリカと日本の都道府県のGDPデータについて解説します。
アフリカのGDPデータは、国際通貨基金(IMF)が出している「World Economic Outlook database: April 2024」をもとに出しています。
日本の都道府県のGDPデータは、内閣府が出している県民経済県産の「県内総生産(生産側、名目)」をもとに出しています。16都道府県は集計されていないため、31都道府県のデータとなります。
どちらも名目GDPで産出されています。また、アフリカ側は2024年、日本側は2021年のデータですので、時系列的にはズレていますが、今回の比較は大まかに経済規模感を把握いただくことを目的としているため、そこを加味していただいた上でご覧いただければと思います。
〈参考情報〉
国際通貨基金(IMF)/ World Economic Outlook database: April 2024
https://www.imf.org/en/Publications/WEO/weo-database/2024/April
内閣府 / 県民経済計算・県内総生産(生産側、名目)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/sonota/kenmin/kenmin_top.html
アフリカの国別GDP
まずはアフリカの国別GDPになります。
アフリカ国別GDP(単位:100万)
IMFのデータをもとにイースクエアが作成
上位5か国は、南アフリカ、エジプト、アルジェリア、ナイジェリア、エチオピアとなっています。1位の南アフリカはダイヤモンドや金をはじめとした鉱物資源に恵まれて経済発展をし、工業化や貿易の活性化にも成功したことが大きな理由です。2位のエジプトは観光業に加え、農業、石油や天然ガスなどの資源エネルギーの輸出などが大きな収入源となっています。
日本の都道府県別GDP
次に日本の都道府県別GDPになります。
都道府県別GDP(単位:100万)
内閣府のデータをもとにイースクエアが作成
上位5都道府県は、東京、大阪、愛知、神奈川、埼玉となっています。1位の東京は2位大阪に倍以上の差をつけており、群を抜いた主要経済都市であることがわかります。
アフリカと日本の都道府県GDP比較
それでは、以下にアフリカと日本の都道府県GDP比較表を記します。ベースはアフリカの国別GDPとし、各国のGDPに近い数字を持つ都道府県を該当する国の右側に記載しています。
アフリカと都道府県のGDP比較(単位:100万)
アフリカの国別GDPのトップ3か国は大阪府よりGDPが大きいことがわかります。また、ナイジェリアは愛知県、モロッコは埼玉県とGDPが非常に近い数字です。近年注目を浴びているケニアは、埼玉県よりはGDP規模は小さいが茨城県よりは大きいということもわかります。このように、アフリカの国別GDPと日本の都道府県別GDPを比較すると、なんとなく経済の規模感を大まかに把握することができるのではないでしょうか。
なお、今回は大まかな経済規模感を掴んでいただくために、名目GDPの比較のみに留めましたが、1人当たりGDPで比較してみると、見え方は違ってきます。例えば、アフリカでGDP規模4位のナイジェリアは愛知県のGDPと似通っていますが、同国の人口は2.2億人と多く、1人あたりGDP(名目GDP÷人口)にすると約17万円(愛知県は約539万円)と30倍以上の大きな違いがありますので、留意が必要です。
まとめ
アフリカへの進出を検討する際、将来目指したい事業規模を含め、事業計画を立てられるかと思いますが、各国の経済規模を都道府県の経済規模と比較することで、より具体的にイメージがしやすくなりますので、ぜひお役立ていただければと思います。
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