アフリカって危険なの？リスクを抑えてアフリカで事業展開する方法

最近、アフリカではスーダンの内戦やニジェールやガボンのクーデターなどのネガティブなニュースが注目を集めています。そのせいか、「アフリカって危なくないの？」とか「アフリカに出張に行って大丈夫なの？」などと知人から聞かれることがあります。そういった質問には「国と場所によります」と答えるようにしています。

世界平和度指数を地図上で確認できる経済平和研究所のWebサイト

アジアは危険か？

外国人に「（日本を含む）アジアって危険なんでしょ？」と聞かれたらあなたならどう感じるでしょうか。確かに、軍によるクーデター後に紛争が続くミャンマー、タリバン政権が支配するアフガニスタンなど、紛争やテロが頻発し、危険で渡航すら推奨されない国もあります。ただ、概ね安全な国が多いうえ、日本、シンガポール、台湾などは特に治安がいいことで知られていますよ、などと反論したくなるのではないでしょうか。

それと同様に、アフリカの一部の国や地域では、クーデターや民族紛争が起きたり、政治的に不安定な状況が見られるため、アフリカ全体が危険な場所というイメージを持つ人も多いかもしれません。しかし、アフリカには54もの国・地域があり、それぞれが異なる状況にありますので、個別に見ていく必要があります。

国の平和度を評価する世界平和度指数（Global Peace Index）

国家の「平和度」を測るうえで参考になるのが、世界平和度指数（Global Peace Index）です。

世界平和度指数は、経済平和研究所（Institute for Economics and Peace）が毎年発表している、世界各国の平和度を数値化した指数です。2007年に初めて発表されて以来、毎年大きな注目を集めています。

世界平和度指数は、163の国と地域を対象に、23の指標で平和度を評価しています。指標には、内戦の発生率、軍事費の支出、暴力犯罪の発生率、テロの発生率、政治的安定性、経済的安定性、社会的な安定性などが含まれています。

世界で最も平和な国と最も平和でない国は？

2023年の報告書によると、最も平和な国はアイスランドで、最も平和ではない国はアフガニスタンでした。日本は9位と、かなり安全な国として評価されています。アフリカでは、モーリシャス（23位）、ボツワナ（42位）、シエラレオネ（47位）、ガーナ（51位）、セネガル（52位）、マダガスカル（55位）、ナミビア（56位）、ガンビア（59位）、ザンビア（63位）などが比較的平和な国としてランクインしています。一方、スーダン（155位）、ソマリア（156位）、コンゴ民主共和国（159位）、南スーダン（160位）、シリア（161位）などは最下位グループに入っています。ちなみに、ロシアによる侵略に端を発して戦争が続くウクライナ（157位）、ロシア（158位）はソマリア（156位）よりも平和度が低くなっています。

まとめ

世界平和度指数は、世界各国の平和度を客観的に評価するための指標として、広く活用されています。

企業が事業を行ううえで、基礎となるのが「平和」です。特に、現地に工場や事業所を構え、日本から駐在員を派遣するとなると、その国の安定性や平和度をよく見極める必要があるでしょう。なお、海外の安全情報については外務省の海外安全ページもやJETROの「海外の治安・安全情報とビジネスへの影響」もご参照されることをお勧めします。また、アフリカ進出の際の対象国の選び方についてはこちらの記事もご参照ください。

＜参考情報＞
世界平和度指数（Global Peace Index）
https://www.visionofhumanity.org/maps/

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