アフリカの国別IT市場の現状と未来
近年、急速なアフリカ経済発展によるリープフロッグ現象(新興国で先進国を追い越す技術やインフラの整備・浸透)が注目され、世界中の大企業、中小企業、スタートアップがアフリカ市場への進出を図っています。同様に、日本でもDX改革の波が押し寄せる中、アフリカにおいてもデジタルとITの影響が急速に広がっています。本記事では、アフリカの国別IT市場の現状と未来を紹介することで、今後アフリカ進出を考えている企業の方々に有益な情報を提供します。
※本記事は、「令和4年度 技術協力活用型・新興国市場開拓事業 (制度・事業環境整備事業(開発途上国のIT人材育成を通じた事業環境整備)) 事業報告書」を元に作成しています。
アフリカのIT市場の現状と未来
アフリカは54か国からなる大陸であり、総人口は14億8,200万人(2022年11月時点)です。2021年においては、GDP(実質国内総生産)は約2.7兆ドルで、成長率は6.9%でした。「e-Conomy Africa 2020」によると、アフリカのGDPにおけるIT関連市場の国内総生産を示す独自の指標であるiGDPは、2012年時点ではGDP比の1.1%でしたが、2020年には約1,150億ドルでGDP比の4.5%に達しました。また、2050年には予測ではGDP比の8.5%(約7,120億ドル)に達し、2020年時点での先進国と同等の比率を見込んでいます。
アフリカのiGDP規模
アフリカの国別IT市場の現状と未来
以下は、アフリカの主要な16か国とその他の国における2020年、2025年、2050年のIT関連市場の規模(iGDP)およびGDPに対する比率です。
アフリカ16か国のiGDP指標
2020年時点のiGDP規模を見ると、ナイジェリアは約246億ドル、南アフリカは約216億ドル、エジプトは約154億ドルとなります。一方、GDPに対するiGDP比率では、ケニアが7.7%、モロッコが6.8%、南アフリカが6.5%となり、これらの国々が最も高い比率を示しています。2050年の予測では、iGDP規模の順位は変わりませんが、GDPに対するiGDP比率では、ケニアが15.2%、南アフリカが12.9%、モロッコが12.9%となり、南アフリカがモロッコを逆転しています。先述した通り、2050年にはアフリカ全体のGDPに対するiGDP比は8.5%となり、2020年時点の先進国と同等のレベルになります。しかし、その中でも10%を超える比率を持つ国は7か国であり、他国と大きな格差が生じる見込みです。
IT事業に適切な国選び
これからIT関連事業でアフリカ進出を検討している企業は、上述した「国別iGDP規模が大きい国」に加え、「国別のiGDP規模の成長速度」も加味すると良いでしょう。
アフリカの国別iGDP年平均成長率
上記の表は2020年から2025年のiGDP年平均成長率予測ですが、セネガル、ルワンダ、モザンビーク、コートジボワール、ケニアが上位5か国となっており、2020年時点のiGDP規模の順位とは大きく変化があります。
その他に、IT関連産業以外でも参考にすべきアフリカ進出の際の対象国の選び方に重要な視点を以下で紹介していますので、参考にしていただければと思います。
今回は、アフリカの国別IT市場の現状と未来についてご紹介しました。イースクエアは、ITに関わらず、アフリカビジネスにおける市場調査から現地ビジネスの立ち上げ支援サービスを行っております。詳しくは以下をご覧ください。
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