こんにちは。イースクエア代表の本木啓生です。

先週末に福島県双葉郡広野町にあるオーガニックコットン畑の雑草取りのボラ
ンティアに参加してきました。いわき市の北東の一角にあるこの町は東日本大
震災で震度6弱を記録し、沿岸部は津波の甚大な被害を受けたところです。

福島第一原発より20~30キロ圏内ということで、緊急時避難準備区域にも指定
され、震災後の半年間、全住民が一時避難を余儀なくされました。田畑が多く
緑豊かなところですが、原発事故により食用の農作物づくりを放棄せざるを得
ない状況となっています。

私が参加したのは、復興まちづくりを目的に立ち上がった「いわきおてんとSU
Nプロジェクト」の一つである「いわきオーガニックコットン」の取り組みで
す。これは、当社の取締役でもある木全ミツが理事長を務める女子教育奨励会
(JKSK)が、震災で被害を受けた東北と東京を結びつけようと始めた「結結(
ゆいゆい)プロジェクト」から誕生したプロジェクトです。

食用ではなく、塩害にも強い綿を、しかも農薬や化学肥料を使わないオーガニ
ックで栽培することで、新たな農業と繊維産業を作り出したいと、農家、市民、
学校、NPO、地元企業などが動き出しています。2012年には、市内15か所、約
1.5haの畑に首都圏から延べ1,500人が訪れたそうで、収穫された約300kgの綿
から、Tシャツや「コットンベイブ」という人形などが作り出されました。

プロジェクトの代表を務める吉田恵美子さんの話によると、震災・津波、原発
事故で被害を受けた地域のことが日本中でどんどん風化していることが大きな
課題だと感じているそうです。福島県では、テレビをつければいまも原発事故
の処理や放射線量の状況など、震災や原発に関わることが日常的に放映されて
います。しかし、県をまたいで栃木県に入れば、日本の他の地域と同じように
震災に関する報道は圧倒的に少なくなっているとのことでした。まるで原発は
福島だけの問題だというように。

アパレル関連企業が数多く参加する東北コットンプロジェクトなど、他にも様
々な活動が動いています。震災・原発事故の影響から自らの力で立ち上がろう
としている方々を、これからも応援してきたいと思っています。そして、長い
歴史のなかで培われた農業のノウハウなどをうまく活用しながら、東北に新た
な産業が生み出されていくことを願っています。

「いわきおてんとSUNプロジェクト」について詳しく知りたい方はぜひ下記の
Webサイトをご覧ください。
http://www.iwaki-otentosun.jp/


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◇◆ 目次
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〔1〕注目CSRニュース - 「インド、会社法を改正しCSRを義務化へ」

〔2〕オルタナCSR monthly寄稿文紹介 - 「BOP ビジネス」

〔3〕CSR お悩み解決 - 「社会貢献活動の体系的整理」

〔4〕セミナー案内 - 「CSR速習セミナー秋 理解編」

〔5〕イベント紹介 - 「TFN 2013年度 米国遠征」

〔6〕コンパスプラス - 「TFN エグゼクティブ・セッション」


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〔1〕注目CSRニュース - 「インド、会社法を改正しCSRを義務化へ」

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このコーナーでは、企業のCSR担当者向け情報サイト、「CSRコンパス」
http://www.csr-compass.jp
から注目ニュースをピックアップしてご紹介します。


今回取り上げるニュースは、「インド、会社法を改正しCSRを義務化へ」です。

<CSRコンパスの8月のニュースから転載>--------------------------------

インドの新会社法が昨年12月のインドの下院に続き、上院を通過した。新会社
法は大統領による承認を経て法律となる予定であり、1956年に制定されてから
初めての改正となる。現地報道などによると、新会社法は以下の通りCSRやガ
バナンスに関する条項を含んでいる。

・一定の要件を満たす企業は、過去3年間の平均利益の2%以上をCSR活動に支
 出すること(その額に満たなかった場合は理由を報告する)
・透明性を確保するため、役員の3分の1以上は独立した社外取締役とすること
・役員として少なくとも1名の女性を登用すること

また、インド新会社法のCSRに関する条項は、企業は3名以上の取締役(うち1
人は社外取締役)から構成されるCSR委員会を設置して方針策定やモニタリン
グを行うことを求めている。

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3年ほど前にインドの企業省担当大臣がCSRへの支出義務化の案を発表したこと
が注目を集めましたが、今般法案が上院を通過したとのことです。

昨年下院を通過した法案によると、利益の2%のCSR活動への支出義務づけの対
象となるのは、自己資本が50億ルピー(約70億円)以上、売上高が100億ルピ
ー(約140億円)以上、純利益が5,000万ルピー(約7,000万円)以上のいずれ
かに当てはまる企業とのことです。対象となる企業はそれなりの数に上りそう
です。

利益の2%の支出義務づけに対しては、賛否両論があるようです。企業がCSRに
取り組む契機となる、NGOや市民活動に資金が回るようになるなどのポジティ
ブな意見がある一方、「CSR活動」がPR活動、フィランソロピー的な活動に集
中し、事業を通じて社会課題の解決を目指す本質的な取り組みがないがしろに
なるのではないか、という懸念もあるようです。どちらももっともな意見でし
ょう。

ところで、「利益の2%」に目が行きがちですが、併せて施行される「取締役会
には、少なくとも1人女性を含む」という規制も注目されます。日本の上場企業
の多くが失格になりそうなこのルール、女性の地位向上が課題といわれるイン
ド社会をどう変えていくか、日本にとっても学びは大きいかもしれません。


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〔2〕オルタナCSR monthly寄稿文紹介 - 「BOP ビジネス」
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イースクエアでは、オルタナが毎月発行しているニュースレター「CSR month
ly」に寄稿をしています。このコーナーでは、オルタナ編集部の許可を得て寄
稿文をご紹介します。


  「BOP ビジネス 、実践ステップにおけるポイント」
  イースクエア 田村 賢一

現在、BOP ビジネスでは、当初の文脈である BOP 層を消費者としてとらえ、
廉価な商品を開発・販売するという流れから、BOP 層を事業パートナーとして
とらえ、ビジネスの設計段階から包含していく考え方が注目を集めている。

・・・以下全文は下記PDFをご覧ください。
https://www.e-squareinc.com/reports/pub_pdf/CSRmonthly_vol11_ES.pdf


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〔3〕CSR お悩み解決 - 「社会貢献活動の体系的整理」
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このコーナーでは、CSR/サステナビリティの分野で寄せられたご相談とそれに
対するイースクエアのご支援内容(解決策)をご紹介します。皆さまのお悩み
解決のヒントになれば幸いです。


◆ご相談内容 「社会貢献活動の体系的整理」

戦前に創業したA社はかねてから数多くの社会貢献活動に取り組んでいました。
しかし、活動の目的が明確になっていなかったうえ、会社合併に伴い活動の全
体像の把握がより難しくなっていため、社会貢献活動の位置づけを明確化した
いとのご相談を頂きました。


◆イースクエアのご支援内容

まず、社会貢献活動を推進する部門の方々を対象に「戦略的な社会貢献活動」
の重要性についてレクチャーを実施、社会貢献活動とCSR経営の関係性につい
て理解を深めて頂きました。

次に、個別の社会貢献活動を「自社との関係性」や「ステークホルダーからの
期待度」などの切り口で整理するとともに、ディスカッションを通じてそれぞ
れの経緯や目的、活動規模などを明確にしました。

これらを基に、全ての活動をカテゴリー別に分類し、社会貢献活動全体の目的
や重点分野を策定しました。また、社内外のステークホルダーとのコミュニケ
ーションを円滑にするために社会貢献活動の全体像を概念図にしました。

このプロジェクトは約2ヶ月、計5回のワークショップを通じて実施しました。
社会貢献活動が体系的に整理されたことで、社内外のステークホルダーに社会
貢献活動の目的や全体像を一貫性をもって説明することが可能になりました。
社会貢献活動の全体像、目的を整理した概念図は継続してCSR報告書に掲載され
ています。


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〔4〕セミナー案内 - 「CSR速習セミナー秋 理解編」
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 戦略的にCSRを企画・推進するためのノウハウと実践力を身につける
  ― CSRを推進される責任者・実務担当者向けの研修コース ―


イースクエアでは、CSRご担当者向けに速習講座「CSR経営のための速習セミナ
ー」を2009年から毎年開催しています。

なかでも「理解編」は、人事異動などで新たにCSR関連部署のご担当にとって
CSR経営の全体像が1日(7時間半)で分かるように設計した講座です。すでに
CSRの実務に携わりながらもCSRの知識を体系的に捉え直したい方にもお勧めで
す。

人事異動のタイミングに合わせて毎年春に開催していますが、今年は秋も以下
の日程で開催します。

延べ500社以上に上る支援実績から得たノウハウを凝縮した本セミナーを受講
頂くことで、経営視点でリスクとチャンスの両面よりCSRを捉え、戦略的に取
り組みを企画・推進するための知識・スキルと実践力を身につけて頂けます。

ご関心のある方はぜひご参加ください。


 対 象: 企業においてCSRを推進される方(責任者、実務担当者)
       ※新たにCSR関連部署に配属となった方に最適です。

 日 時: 【理解編】 2013年10月29日(火)10:00~17:30

 参加費: 36,000円(1コース)※昼食代込み

 申込締切: 10月10日(木)

より詳しい内容やお申し込み方法はこちらをご覧ください。
https://www.e-squareinc.com/news/2013/130827.html


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〔5〕イベント紹介 - 「TFN 2013年度 米国遠征」
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TFN(The Frontier Network)は、イースクエアが運営するCSR・サステナビリ
ティの最先端を目指す企業のネットワークで、現在10社の大手企業にご参加頂
いています。TFNでは、「遠征」と称して米国と欧州を交互に訪問して、企業、
NGO、研究機関、国連機関などと意見交換をし、最新情報を得るとともに、事
業に活かせる人脈構築を行っています。

昨年は10月に欧州(ロンドン、ブリュッセル)を訪問し、今年は11月に米国を
訪問予定です。いままさに旅程を詰めているところですが、サンフランシスコ、
アーカンソー、ニューヨークの3都市を訪問することになりそうです。

現時点でほぼ確定した訪問先をご紹介させて頂きます(ニューヨークはもう1
ヶ所調整中)。


◆サンフランシスコ
・太陽光ビジネスで急成長する環境ベンチャー、SolarCity
・米国においてサステナビリティ会計の標準化を進めるSASB
・マイケル・ポーター氏らが設立し、CSVのコンセプトを広めるFSG
  (マーク・クラマー氏らと面会予定)

◆アーカンソー
・サプライヤーとともにサステナビリティ戦略を推進するウォルマート

◆ニューヨーク
・ポストミレニアム開発目標(MDGs)である持続可能な開発目標(SDGs)の取
 りまとめを行う国連・経済社会局(UN DESA)
・社会・環境基準を満たした農産物に認証マークを提供。人々の共感を得る
 ユニークなコミュニケーションで注目される環境NGO、Rainforest Alliance


いずれも各分野で注目されている団体で、どのような話が聞けるか楽しみです。
TFNのアドバイザーを務めてくださっている末吉竹二郎氏(UNEP FI特別顧問)
が毎年同行するのもこの「遠征」の大きな魅力です。なお、優秀な著名同時通
訳者も同行します。

実際の訪問は少し先になりますが、結果は本メルマガやコンパスプラスでご紹
介させて頂く予定です。


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〔6〕コンパスプラス - 「TFN エグゼクティブ・セッション」
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「コンパスプラス」はイースクエアスタッフによるブログです。
その中から注目記事をピックアップしてご紹介します。


 「TFNエグゼクティブ・セッションを開催しました」

7月25日に「事業戦略とサステナビリティの統合」と題しまして、石倉洋子氏
(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授、一橋大学名誉教授)をス
ピーカーにお迎えし、エグゼクティブ・セッションを開催しました。CSRや経営
企画に携わる役員・部課長の方々にご参加いただきました。

・・・続きはこちら
http://www.csr-compass.jp/member/plus/oshima/tfn/


「コンパスプラス」では、ブログ形式でスタッフが情報を随時掲載しています。
ぜひご覧ください。


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【編集後記】
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前号でもご紹介した干しいもプロジェクトのため、6月から7月にかけて再びタ
ンザニアを訪問してきました。主目的は、タンザニア最大の展示会「サバサバ」
に干しいもを出展するためです。サバサバは毎年7月7日の前後10日くらいにわ
たって開催されています。ちなみに、「サバ」はスワヒリ語で「7」を指し、
サバサバは「7月7日」を意味します。

もともと出展を検討していたところ、今年初めてJICAがジャパンブースを出す
ことになり、渡りに船とばかりに参加させて頂きました。ジャパンブースには
日本企業13社が、バイク、機械、部品、衛生用品などを出展しており、食品を
扱っていたのは私たちのブースのみでした。干しいもは日本から空輸し、現地
でよく見かける街角の小売店KIOSK風に展示。試験販売用の干しいもは300袋近
くも売れ、小さく切った試食用の干しいもを味見してくれた人は、推定延べ5,
000名にもなり、絶好のテストマーケティングの場になりました。

7月7日には、タンザニアのピンダ首相がブースに立ち寄ってくれました。ピン
ダ首相は「農産物に付加価値がついてとてもいいアプローチだ」と、干しいも
事業を高く評価した様子でした。タンザニアは就業人口の約4分の3が農家とい
う農業国ですが、農産物加工分野が未発達です。そのことを念頭に置いた発言
だったのでしょう。ぜひ期待に応えていきたいと思います。

実はまた明後日(9月1日)からタンザニアに出張し、干しいもの試験製作など
を行ってくる予定です。(担当:柳田)


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