こんにちは。イースクエア代表の本木啓生です。

5月9日、ハワイ島のマウナロア観測所で、大気中のCO2が観測史上初めて400ppm
(0.04%)を超えたというニュースがありました。私も同観測所の近くまで行
ったことがありますが、標高3397メートルと高度が高く、人間の活動の影響を
受けにくいところだと言われています。1958年の観測開始以来、大気中のCO2
濃度は毎年0.7ppmずつ高まり、最近10年間は年2.1ppmのペースで増加を続けて
いるそうです。

産業革命前の過去80万年で最もCO2濃度が高かった時期でも300ppmほどであり、
科学者たちは地球温暖化が加速する危険水域に入ったことに対する警告を発して
います。地球環境の大きなトレンドは、巡り巡って企業経営に様々な影響を
与えています。自社のバリューチェーンのどこに脆弱性があるのか、いま一度
点検することが必要でしょう。

今や地球上のあらゆる地域がバリューチェーンを通じてつながっています。
日本から地理的に遠いアフリカも例外ではありません。アフリカは鉱物資源、
石油・天然ガスや農産物の輸入先としてだけではなく、分厚い若年層、拡大する
中間層を持つ市場としても注目されるようになってきました。

明日6月1日(土)より3日間、第5回アフリカ開発会議(TICAD V)が横浜で
行われます。アフリカ51カ国の首脳クラスが集まり、アフリカの開発をテーマに
様々な議論が行われ、サイドイベントも多数予定されています。
アフリカの開発においては「援助から投資へ」が一つのキーワードになっており、
企業の果たす役割への期待が高まっています。

イースクエアでは国際NGOケア・インターナショナルジャパンと共催で、6月3日
(月)に「PARTNERING FOR A BETTER WORLD~アフリカのソーシャルビジネス
の連携事例に学ぶ。新たな社会価値・事業機会の創出」と題し、アフリカのBOP
ビジネスに関するセミナーを開催します。直前のご案内となり恐縮ですが、
まだ少し席があるそうですので、ご都合のつく方はぜひご参加頂けると幸いです。

BOPビジネスセミナーの詳細・申し込みはこちら
http://www.careintjp.org/news/b/africanBOPevent.html


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◇◆ 目次
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〔1〕注目CSRニュース - 「ユニリーバ、進捗レポート2012を発表」 

〔2〕オルタナCSR monthly寄稿記事紹介 - 「社内浸透」

〔3〕CSRお悩み解決 - 「管理職層に対する環境とビジネスに関する研修」

〔4〕セミナー案内 - 「CSR速習セミナー テーマ編」

〔5〕コンパスプラス - 「「図表で見る環境・社会」、アップデートしました」


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〔1〕注目CSRニュース - 「ユニリーバ、進捗レポート2012を発表」
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このコーナーでは、企業のCSR担当者向け情報サイト、「CSRコンパス」
http://www.csr-compass.jp から注目ニュースをピックアップしてご紹介します。


今回取り上げるニュースは、「ユニリーバ、進捗レポート2012を発表」です。

<CSRコンパスの4月のニュースから抜粋>--------------------------------

ユニリーバは、サステナブル・リビング・プランに関し、2回目となる進捗レ
ポートを発表した。持続可能性と公正な成長をビジネスモデルの中心に据えた
このコミットメントは、売上の拡大とコストやリスクの削減に貢献していると
いう。

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ご存知の方も多いと思いますが、ユニリーバは2010年11月に「サステナブル・
リビング・プラン」という、画期的な中長期計画を発表しました。
「2020年までに環境負荷を半減しながら売上を倍増する」という野心的な目標
を掲げ、「健康・衛生」「環境負荷の削減」「経済発展」の3つの重点課題で
中長期目標・行動計画を定めています。

昨年イースクエアが運営する企業ネットワークTFNで英国のユニリーバ本社を
訪問した際に、同社のチーフ・サステナビリティ・オフィサーの方が「目標達
成の見込みが立っているわけではないが、経営の意思や方向性を示すものとし
て発表した」と語っていたのが印象的でした。

今回発表された進捗レポートによると、全般的には順調に推移しているものの、
自社だけでは解決できない課題に直面しているとし、目標を達成し大きなスケ
ールでの変化を生み出すためには、企業や政府、NGO、企業などとより一層の
協働が必要であるとしています。特に協働が必要な課題としては、大豆やパー
ム油をはじめとした様々な原材料に関連する森林伐採の問題や、衛生習慣に関
する国家政策などとの連携などを挙げています。

なお、同社は社外の様々なプレイヤーと協働する「オープンイノベーション」
にも積極的に取り組んでおり、今後の取り組みが注目されます。

詳しくは同社の進捗レポートをご覧ください。
http://www.unilever.com/images/USLP-Progress-Report-2012-FI_tcm13-352007.pdf


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〔2〕オルタナCSR monthly寄稿文紹介 - 「社内浸透」
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イースクエアでは、オルタナが毎月発行しているニュースレター「CSR monthly」
に寄稿を行っています。このコーナーでは、オルタナ編集部の許可を得て
寄稿文をご紹介します。


 「CSRの社内浸透は個人と組織、2つのアプローチで」
  イースクエア 大森 慶子

今回は、CSR の社内浸透の方法を、事例を交えつつ「個人(社員)の意識」と
「組織のマネジメント」という 2 つのアプローチから見ていきたい。
まず、社員一人ひとりの CSR 意識を高めるための施策について。
「CSR コンパス」では、1.理解促進、2.社員参画、3.現場体験に分けて
さまざまな企業の事例を紹介している。

・・・以下全文は下記PDFをご覧ください。
https://www.e-squareinc.com/reports/pub_pdf/CSRmonthly_vol7_ES.pdf


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〔3〕CSRお悩み解決 - 「管理職層に対する環境とビジネスに関する研修」
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このコーナーでは、CSR/サステナビリティの分野で寄せられたご相談とそれに
対するイースクエアのご支援内容(解決策)をご紹介します。皆さまのお悩み
解決のヒントになれば幸いです。


◆ご相談内容 「管理職層に対する環境とビジネスに関する研修」

B社は、自社にとって重要な課題の一つとして「環境への配慮」を掲げており、
全社を挙げてその推進を強化していきたいと考えていました。
その一環として、全社のキーパーソンが環境問題と自社事業との関わりを理解
したうえで業務を行うことができるよう、新たに管理職層に昇格した社員を対
象に環境とビジネスに関する研修を行いたいとご相談を頂きました。


◆イースクエアのご支援内容

B社で新たに管理職層に昇格した社員約100名を対象に、数回に分けて半日の講義
とワークショップを実施しました。

講義では、今後50年を見据え、環境問題がどう危惧されているかについて、具
体的な予測データをもとに紹介。B社の事業と特に関係の深い環境問題の動向
を中心に共有した後、自社に対しどのような影響が考えられるかについてディ
スカッションして頂きました。
後半のワークショップでは、グループに分かれ、前半の講義での情報をもとに、
中長期的にみて地球環境の変化を自社にとってのチャンスにするためには何が
必要かを議論して頂きました。

今回の講義は座学のみとせず、講義の合間にディスカッションの時間を入れる
ことで参加者の集中力が持続するとともに、理解度を高めることができました。
また参加者に事前に簡単な宿題をして頂くことで、普段、環境問題に接するこ
との少ない参加者にも主体的に議論に参加して頂けました。
環境問題と自社のリスクやチャンス、そして企業経営とを結び付けて捉える視
点が身についたと参加者の皆様に高く評価頂いています。


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〔4〕セミナー案内 - 「CSR速習セミナー テーマ編」
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 「CSR経営のための速習セミナー」テーマ編を開催します!

   ・CSV(共通価値の創造)   ・社会貢献の評価

   ・人権デューディリジェンス ・BOPビジネス


イースクエアでは、CSRご担当者向けに速習講座「CSR経営のための速習セミナー」
を2009年から毎年開催しています。

延べ500社以上に上る支援実績から得たノウハウを凝縮した本セミナーを受講
頂くことで、経営視点でリスクとチャンスの両面よりCSRを捉え、戦略的に
取り組みを企画・推進するための知識・スキルと実践力を身に付けて頂けます。

今年は、5月16日に開催した「理解編」セミナーに約20名、5月30日(昨日)の
「実践編」セミナーには約15名に参加して頂き、参加者の方々からとても高い
評価を頂きました。

このたび、過去「CSR経営のための速習セミナー」に参加された皆さまのご意見・
ご要望を基に、テーマ別セミナーを初めて開催することになりました。
今回は、皆様のご関心が特に高かった以下4つのテーマで開催します。
各テーマのエッセンスを半日で理解していただける、実践的かつコンパクトな
内容となっています。

「理解編」「実践編」セミナーへの参加有無に関わらずご参加頂けます。
多くの方のご参加をお待ちしております。


◆ 7月 4日(木) CSV(共通価値の創造)がわかる 

◆ 7月10日(水) 人権デューディリジェンスの実践方法がわかる

◆ 7月11日(木) 社会貢献の評価のノウハウがわかる

◆ 7月18日(木) BOPビジネスの始め方と実践のコツがわかる


詳しくはこちらをご覧ください
https://www.e-squareinc.com/news/2013/130530.html


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〔5〕コンパスプラス - 「「図表で見る環境・社会」、アップデートしました」
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「コンパスプラス」はイースクエアスタッフによるブログです。
その中から注目記事をピックアップしてご紹介します。


 「「図表で見る環境・社会」、アップデートしました」

CSRコンパスのWebサイトは、デザインも新たに4月16日にリニューアルいたし
ました。それに伴い、「図表で見る環境・社会」というコンテンツのアップデ
ートも行いました。これは、環境や社会の動向を様々なデータに基づく図表で
表現したものです。このコンテンツは、2011年に新たに加わったコンテンツで
すが、2年目になる今年、データを更新するとともに、新しい資料を追加しました。


・・・続きはこちら
http://www.csr-compass.jp/member/plus/oshima/post_27/


「コンパスプラス」では、ブログ形式でスタッフが情報を随時掲載しています。
ぜひご覧ください。


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【編集後記】
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4月末から5月下旬まで3週間ほどタンザニアに出張していました。

タンザニアは東アフリカに位置する人口約4600万人の国で、農業、鉱業、観光業
などが主な産業です。国民1人あたりのGNI(国民総所得)は540米ドル(2011年)
で、国連にはLDC(後発開発途上国)に分類されています。

今回の出張の目的は、現地で干しいもの製造・販売事業を行うためのフィージ
ビリティ・スタディ(実現可能性調査)を行うためです。イースクエアの役割
は、法制度、調達・製造、マーケティングといった事業環境全般の調査を行った
うえで、ビジネスモデルを考えることです。
将来の事業主体となる、茨城県にある干しいもメーカーの社長さんなどと共に、
国際機関、政府機関、農業試験場、サツマイモの産地、工場候補地、NGO、ス
ーパーマーケットのバイヤー、学校など、幅広く訪問してきました。首都ダル
エスサラームにある保育園・小学校では、日本から持参した干しいもを配布し
て試食会を実施したのですが、112人中111人がおいしいと答える好結果でした。

サツマイモは、日本では希少な無施肥・無農薬の「自然栽培」の良質なものが
手に入りそうです。干しいもに適した品種も複数見つかり、現地で試作にも成
功。事業化に向け様々なハードルがまだありますが、まずまずの成果でした。

ところで、タンザニアでの干しいも事業を「開発」という観点から考えると、
下記のようないくつかの効果が期待できます。
・農産物の付加価値向上(農業は同国の労働人口の4分の3が従事する基幹産業)
・収穫後ロスの削減(サツマイモは貯蔵しにくいが加工することで貯蔵可能に)
・新たな雇用の創出(加工産業ができることで新たな雇用が生まれる)
・技術の移転(日本の食品加工技術が現地に移転される)

タンザニアの人口は日本の約3分の1ですが、サツマイモの生産量は日本の約1.5
倍と、隠れた「サツマイモ大国」でもあります。簡単なことではありませんが、
干しいもが同国の新たな特産品になればインパクトも大きいでしょう。

明日からの第5回アフリカ開発会議(TICAD V)では、アフリカの開発をテーマ
に各国の政府高官が意見交換をするそうです。議論の行方に注目しつつ、こう
いった草の根の事業立ち上げ支援にも力を入れていきたいと考えています。

なお、今回のタンザニア調査にはTV東京「ガイアの夜明け」のクルーが同行し
ていました。6月18日(火)に放映予定だそうですので、ご興味のある方はご
覧になってみてください。(担当:柳田)

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