このメルマガでは、気候変動のテーマを取り上げることが多くなっているのですが、12月13日に国連気候変動サミットCOP28(第28回締約国会議)が閉幕したタイミングということで、今回もこのテーマを取り上げます。

化石燃料からの脱却が焦点となったCOP28の開催地は皮肉なことに主要産油国のアラブ首長国連邦であり、議長はアブダビ国営石油会社のトップ、スルタン・アル・ジャーベル氏が務めるということで、そもそも茶番ではないのかという批判もありました。しかし最終的には、「公正で秩序ある衡平な方法で、エネルギーシステムにおける化石燃料からの脱却に貢献する(transitioning away from fossil fuels in energy systems, in a just, orderly and equitable manner)」との合意を取り付けることに成功しました。当初案の「段階的廃止(phase out)」という言葉は消えましたが、歴史上初めてサミットにおいて化石燃料からの脱却に合意したということは、大きな成果でした。さらには、2030年までに再生可能エネルギー容量を世界全体で3倍にすること、2030年までにエネルギー効率を世界平均で2倍にすることなどが合意文書に盛り込まれました。

しかし、この世界的な合意は実際には小さな一歩に過ぎません。合意内容を現実社会で実行していくことははるかに困難だからです。先進国が産油国に化石燃料の廃止を迫っても、そもそも化石燃料を必要とし、供給を求めているのは先進国を始めとするほぼ全ての国だという皮肉な状況です。産油国の立場に立てば、求めに応じて自らの責務として化石燃料を供給しているだけ、とも言えるわけです。

脱炭素社会への移行には、ビジネスの力が欠かせません。日本でも、以降で紹介するフロンティア・ネットワークが協力団体となっている気候変動イニシアティブが、政府に対するカーボンプライシングの提言をまとめ、東証プライム企業61社を含む186団体が賛同するという、これまでなかった動きも出始めました。脱炭素社会を前提とした社会システムの再構築、企業のビジネスモデルの組み直しが急務となっています。

【ご参考】
186団体が賛同|JCIカーボンプライシング提言:2030年GHG排出削減目標と国際競争力強化の同時達成に向けて
https://japanclimate.org/news-topics/cp-proposal/


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◇◆ 目次
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〔1〕フロンティア・ネットワークが20周年を迎えました!

〔2〕CSRコンパス - CSR・サステナビリティ経営のための
ナビゲーション・ツール ~人気コンテンツのご紹介~

〔3〕主要ESG評価対応に関する無料相談受付中
~12月末までの期間限定!~


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〔1〕フロンティア・ネットワークが20周年を迎えました!
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イースクエアが運営するサステナビリティ先進企業のネットワークであるフロンティア・ネットワーク(TFN: The Frontier Network)は、今年20周年を迎えました。メンバー企業と共に、サステナビリティ・ESG経営のフロンティアを追求し続けています。

TFNは、2003年にサステナビリティを踏まえた産業界を取り巻く構造変化を複数のシナリオで描き、必要とされる企業戦略を導き出すという企画から活動をスタートしました。2008年には「気候リーダーシップ」、2013年には「サステナビリティと経営の統合」、その後も「社会変革とサステナビリティ」、「ステークホルダー資本主義」など時代を先取りしたテーマに取り上げて参りました。今年のテーマは「ポジティブ・インパクトの実現」です。月1回程度の様々なセミナーやワークショップに国内外の第一人者を招へいし、議論を深めています。

また、毎年秋に海外遠征と称して、欧州か米国のサステナビリティ関連の重要団体・先進企業・国際機関・NGOなどを訪問してきました。2020年以降、コロナ禍により渡航を自粛してオンライン開催としていましたが、嬉しいことに、今年は久しぶりにメンバーの皆さまと共に欧州を1週間ほど訪問することができました。英国では、気候変動対策を牽引するアデア・ターナー卿、生物多様性政策の仕掛け人のデイビッド・ヒル博士、ブリュッセルでは欧州委員会でエコデザイン規則案や気候対策のご担当者、そしてEFRAG(欧州財務報告諮問グループ )のサステナビリティ報告審議会議長のパトリック・ド・カンブール氏を訪問しました。パリ郊外では、ルノーがサーキュラー・エコノミーの拠点としていくフラン工場を訪ね、直接質問や意見交換をさせていただくことで、欧州企業がサーキュラー・エコノミー政策を支持するスタンスについても理解が深まりました。

TFNの会合には、サステナビリティやESG、環境関連部門の方々のほか、経営企画、経営戦略、IR部門、事業部門の方々もテーマによってご参加いただいています。スピーカーのレクチャーを一方的に聞くだけではなく、十分に時間をかけた質疑応答により、各自の疑問を直接ぶつけて、真に理解を深めることができる会になっています。また、メンバー企業同士のディスカッションも大切にしており、テーブルを囲んで少人数で話し合える場をご提供しています。TFNへのご入会は、基本的に1業種1社に限っているため、フランクな意見交換が可能になっています。

メンバー企業の皆さまに支えられ、お陰様で20周年を迎えることができました。
これからも私たちは常に時代の先を見据え、活動を展開してまいります。
ご関心のある方は、ぜひお問い合わせください。

【TFNのWebサイト】
https://frontiernetwork.jp/

■お問い合わせ
イースクエア フロンティア・ネットワーク事務局(担当:大島)
tfn_admin@e-squareinc.com


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〔2〕CSRコンパス - CSR・サステナビリティ経営のための
ナビゲーション・ツール ~人気コンテンツのご紹介~
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イースクエアメールマガジンでは、毎回「CSRコンパス」からの注目ニュースをご紹介していますが、今回は趣向を変えて、CSRコンパスの人気コンテンツについて、お届けしたいと思います。

CSRコンパスでは、年に一度、会員企業様にアンケートにご協力頂いています。会員企業様からのご意見やご要望などを頂き、コンテンツの開発や改良に活かしています。
今回は、現在のCSRコンパスで、ご活用度が高く、ご好評を頂いているコンテンツのトップ3をご紹介します。

第3位 CSR入門
CSRやサステナビリティの基本的な考え方から押さえておきたい重要なキーワードまで、なじみのない社員でも10分で理解できるよう、A4サイズ1枚での読み切りで、図解と平易な文章で解説しています。現在140件以上が掲載されており、社内浸透や理解促進にお役立ていただけます。

第2位 レクチャー素材
基礎的なCSR・サステナビリティ研修やレクチャーを行う際に活用いただけるプレゼンテーション型の研修資料一式(ひな形)です。社内研修を行う際などに、CSRやサステナビリティ、ESGに関する基本的な知識やその社会的背景、取り組みの必要性、経営や事業とのつながり、そこから生まれる事業機会やリスクについて、ポイントを押さえて分かりやすくプレゼンすることができます。「このレクチャー素材を使って毎年の研修を実施しています!」というお声も頂いています。

第1位 トレンドウォッチ
CSRやサステナビリティ、ESGに関連する世界の各地域における潮流や、影響力を持つステークホルダーの動向、先進企業の動きなどをニュース形式でお伝えしています。昨今では、ネット上で膨大なニュースが溢れています。そんな中から、これだけは確実に押さえておきたい!という重要なニュースのみをイースクエアのコンサルタントが厳選して、読みやすく簡潔にお届けしています。

以上、CSRコンパスのご好評コンテンツのご紹介をさせて頂きました。


その他にも「ESG評価機関データベース」や「CSR・サステナビリティ用語集」、「原則ガイドライン解説」など、サステナビリティやCSR、ESG部門の皆さまの日々の業務にお役立ていただけるコンテンツを多数掲載しています。

ご関心のある方は、お気軽にお問い合わせください。

【CSRコンパスのWebサイト】
https://www.csr-compass.jp

■お問い合わせ
イースクエア CSRコンパス事務局(担当:芝原)
E-mail: compass@e-squareinc.com


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〔3〕主要ESG評価対応に関する無料相談受付中
~12月末までの期間限定!~
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イースクエアでは近年、FTSE、MSCI、SustainalyticsによるESG評価対応について、大変多くの企業様よりご相談いただいています。
それぞれの評価で特徴があり、評価ロジックも複雑であるために苦労されているご担当者様も多いのではないでしょうか。

そこで、今回イースクエアでは、主要ESG評価対応に関する無料相談会を企画させていただきました。
ご希望される企業様ごとに個別でオンラインミーティングの場を設け、率直なお悩みを共有いただき、ご助言ができればと思っております。
ぜひこの機会をご活用いただけますと幸いです。

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 主要ESG評価(FTSE・MSCI・Sustainalytics)対応に関する無料相談会 
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【無料相談会の対象】
今回は、以下のESG評価対応に関する皆様からのご相談に対応させていただきます。

・FTSE ESG Ratings
・MSCI ESG Ratings
・Sustainalytics ESG Risk Ratings

上記以外のESG評価(MSCI女性活躍、MSCI One、GenDi、DJSI、S&P/JPXカーボン・エフィシェントなど)につきましては、今回の無料相談の対象外となります。

例えば、以下のような漠然としたお悩みや初歩的な疑問もご遠慮なくご相談ください。

・MSCIやSustainalyticsの評価レポートの見方がわからない
・ESGが重要だということは感じているが何から始めていいかわからない
・それなりに社内で対応してきたが、どうしても組み入れ銘柄入りまで手が届かない
・ESG対応のマンパワーや知見が不足している
・数多くあるESG評価に効率的に取り組みたい
・社内の関係者(役員、部門長、担当者、事務局)においてESG評価対応の基本理解が不十分
・各ESG評価のメソドロジーについて知りたい

【ご対象の企業様】
・プライム上場企業でFTSE ESG Ratings/MSCI ESG Ratings/Sustainalytics ESG Risk Ratingsの評価対象企業様

【ご相談方法】
お申し込みいただきましたら、企業様ごとに個別にオンラインミーティングの場を設定させていただきます。(所要時間:30分程度)
オンラインミーティングには複数名でご参加いただいても問題ございません。
その場で回答できる範囲でご助言させていただきます。
今回の無料相談の中では具体的にどのような開示で評価されるのかといった詳細のアドバイスは難しいことをご了承ください。

【お申し込み方法】
以下のお申し込みフォームに必要事項をご記入ください。
https://www.e-squareinc.com/whitepaper/esgftsemscisustainalytics.html

折り返しイースクエアより日程調整のご相談メールを返信させていただきます。
12月22日以降のお申し込みについては、年明けのご返信となりますのでご了承ください。
なお、年内にお申し込み頂ければ、実際のご相談が年明けになっても無料相談の対象となります。

イースクエアが提供しているESGコンサルティングの詳細については以下をご参照ください。
https://www.e-squareinc.com/management/esg.html

■お問い合わせ
イースクエア ESG担当
info-esg@e-squareinc.com


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【編集後記】 循環型祝い花「アフリカローズ」(弊社支援企業様)
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六本木ヒルズの森タワーヒルサイド地下2階の一番奥に進むと、花屋があるのはご存じでしょうか。一見、普通の花屋かと思ってよく見ると、バラ専門店なのです。しかも、1輪1輪が通常より2倍ほど大きく、力強い印象のバラが並んでいます。

店員さんに聞くと、アフリカのケニア産のバラで、ケニア山の麓で栽培されているそうです。標高2,300メートルもの高地の寒暖差を耐え抜き、赤道直下の太陽のエネルギーをたっぷりもらっているため、通常のバラより色鮮やかで大きく、花持ちが良くなるのだそうです。

そんなバラを提供するアフリカローズさんは、最近法人向けの祝い花サービスをはじめたそうです。法人向け祝い花の課題の1つは、「イベントなどで飾ったあとに廃棄処分になってしまうこと」だそうです。
一方、アフリカローズさんの祝い花は、1輪ずつ再生紙で個包装されているため個人の持ち帰りが容易だったり、バラを入れる容器(箱)が再生紙で作られていたり、1つ購入するごとにケニアに1本の木が植林される仕組みを導入していたりと、よりサステナブルなサービスになっています。機会があれば一度、アフリカローズさんのバラを体感してみてはいかがでしょうか。(担当:内藤)

アフリカローズの法人向け祝いバラ
https://afrikarose.com/for-corp/


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当社では、新型コロナウイルスの感染拡大を防止し、お取引先企業の皆さまや当社従業員およびその家族の安全を確保するため、2020年3月より原則在宅勤務の体制に切り替えさせて頂いております。お問い合わせは当社Webサイトのフォームよりご連絡ください。
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