WWI、気候変動における都市の役割についての報告書を発表
これまでに228都市が温室効果ガス削減の目標を設定している。合計4億3,900万人が住むこれらの都市における気候変動対策は、COP21(第21回気候変動枠組条約締約国会議)で採択されたパリ協定における各国の「約束法案(各国内で定めた2020年以降の温室効果ガス削減目標、INDCs:Intended Nationally Determined Contributions)」の実現を推進する可能性がある。
都市には世界人口の半数以上が住み、世界のエネルギー消費量と温室効果ガス排出量の約7割が都市からの排出によるものである。また、現在の傾向が続けば、2045年までに都市人口は60億人を超え世界人口の2/3になる見込みである。「もし現在の都市化の傾向が続くようであれば、2050年までに都市のエネルギー使用は2005年の3倍になるであろう」と同白書は述べている。
都市には経済活動が集中しており温室効果ガスの排出が集中しているが、単位当たりの排出量は都市によって異なる。例えば、2005年のオランダのロッテルダムにおける一人当たりの排出量は29.8トンであったのに対し、フランスのパリは5.2トンであった。都市の排出レベルに影響を及ぼす要因としては、気候や都市構造、主要エネルギー源、経済的要因(富や居住者の収入、経済活動の種類)などが挙げられる。