2022年5月18日

企業の持続可能な開発目標(SDGs)への貢献に関する進捗評価を行う国際NGO、ワールド・ベンチマーク・アライアンス(WBA)と、国際的な人権NGOのビジネスと人権リソースセンター(BHRRC)は、日本企業の人権デュー・デリジェンス(HRDD)を評価・分析し、「人権デュー・ディリジェンスに関する日本企業の評価から得られたエビデンス」と題したポリシー・ノートを公表した。

多くのG7諸国が、企業のサプライチェーンの人権リスクや影響を特定し防止するために、報告義務やHRDDの要件を公表しているなか、日本政府もこうしたHRDDのガイドラインを策定すると発表した。本ポリシー・ノートは、主要な人権指標に関する、日本企業のパフォーマンスから得られたエビデンスにもとづいて、現在議論されているガイドラインへ提言を行うものである。

WBAとBHRRCの調査結果によると、一部の企業はHRDDでリーダーシップを発揮しているが、多くの企業は大きく遅れているという。一般的な HRDD のプロセス、特にステークホルダーの関与には顕著なギャップがあると結論づけている。

WBAは、世界で最も影響力のある1000社のうち、日本に本社を置く企業67社について調査を行った。調査対象の日本企業の79%は人権へのコミットメントを開示しているが、64%もの企業がHRDDに関する指標のすべてにおいて達成度のスコアは0となっているという。満点の企業は13%で、アサヒグループ、ファーストリテイリング、不二製油グループ、INPEX、KDDI、キリンホールディングス、三井物産、NEC、楽天の 9 社の名前が挙がっている。


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