2023年5月 3日

国連環境計画(UNEP)は、プラスチック中の化学物質に関する技術報告書を発表した。化学物質・廃棄物関連3条約であるバーゼル条約、ロッテルダム条約、ストックホルム条約の事務局と協力して作成したもので、プラスチック汚染による環境や人体への影響、資源効率や循環性への悪影響について解説している。

すべてのプラスチックは、ポリマーや溶剤などの基本的な化学物質、可塑剤、難燃剤、安定剤、顔料などの添加剤のほか、化学合成や製造段階での不完全な処理によって生じる非意図的な化学物質の残留物からできている。プラスチックの生産・消費の増加に伴い、関連する化学物質も様々な種類のものが量的に増加した。

最新の研究によると、13,000を超える化学物質がプラスチックおよびその製造に関連するものとして特定され、うち3,200以上が有害な特性(発癌性、変異原性、生殖毒性、特定標的器官毒性、内分泌撹乱作用、生態毒性、生物蓄積性、環境残留性、遠隔地への長距離輸送を含む移動性など)を持つと懸念される。
そして、特に重大な懸念事項があるプラスチック関連化学物質として、特定の難燃剤、紫外線安定剤、一部有機フッ化化合物(PFAS)など、10種類を示した。

本報告書は多くの科学的証拠を基に、プラスチック汚染に対する早急な行動の必要性を求めている。