2024年10月27日

自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)は、生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)でグラスゴー金融同盟(GFANZ)と共同主催を務めたセッションにおいて、TNFD推奨の開示方法に沿った移行計画を策定する企業や金融機関向けに、「自然移行計画に関するガイダンス案(仮訳)(Discussion paper on Nature transition plans)」を発表した。

同ガイダンス案は、2030年までに生物多様性の損失を食い止め、2050年までに自然との調和を実現することを目標とした昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)が示唆する自然移行に対応し、貢献するために、組織がどのような目標、ターゲット、行動、説明責任のメカニズム、リソースを設定すべきかを示している。また、GFANZは同セッションにおいて、金融機関がネットゼロ移行計画に自然課題への配慮を統合するための任意補足ガイダンスに関するコンサルテーションペーパーを発表しており、TNFD発表のガイダンス案はこのコンサルテーションペーパーを補完する位置づけとなっている。GFANZとTNFDの連携により、資源利用や気候変動、環境汚染といった自然や生物多様性の損失をもたらす幅広い要因について網羅することになる。

加えて、TNFDはCOP16において、「意思決定に有用な自然関連データの市場アクセスを改善するためのロードマップ案(仮訳)(A roadmap for upgrading market access to decision-useful nature-related data)」も発表している。