2023年10月12日

金融安定理事会(FSB)により設置された気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)は、企業による気候関連財務情報の開示状況に関する2023年ステータスレポートを公表した。

本レポートでは、気候関連財務情報の開示状況に関する報告のほかに、気候変動リスクを財務諸表に組み込む際の課題など、企業が開示において直面している課題などを取り上げている。また、アセットマネージャーやアセットオーナーのTCFDの提言に沿った報告の実施に関する洞察や、政府、規制当局、基準設定主体が、TCFDの提言を気候関連の開示要件策定に活用するための重要なアクションについての最新情報を提供している。

本レポートによると、TCFDの提言に沿った情報を開示する企業の割合は増加し続けているが、さらなる進展が必要である。2022年度の報告では、推奨されている11項目の開示のうち、少なくとも5項目を開示している企業の割合は58%であり、2020年度の18%から増加した。しかし、11項目全てを開示している企業は、わずか4%であった。

2022年におけるTCFDの調査によると、アセットマネージャーとアセットオーナーは、気候変動関連の報告における最大の課題は、投資先企業からの情報不足であると回答した。アセットマネージャーは、上場企業からの情報が最も困難であるとしている(62%)のに対し、アセットオーナーは非上場投資に関する情報が最も困難であるとしている(84%)。