SBTN、自然に関する科学に基づく目標を公表した初の企業群を発表
2024年10月30日
Science Based Targets Network(SBTN)は、自然に関する科学に基づく目標を公表した初の企業群を発表した。ラグジュアリーグループのケリングは淡水および土地に関して、バイオ製薬企業のGSKと建材企業のホルシムは淡水に関する目標を公表。これは、SBTNが1年間実施した企業向けパイロットプログラムの成果であり、プログラムに参加した企業の6割が一部または全ての目標について認証を得たという。発表は、コロンビアにおけるCOP16(生物多様性条約第16回締約国会議)の開催に合わせて行われた。
自然に関する科学に基づく目標の設定は、2030年までに自然損失を止め、回復軌道に乗せるという昆明・モントリオール世界生物多様性枠組に、企業のビジネス戦略を整合させるものである。例えば、ケリングは自社およびサプライヤーのなめし革工場が多くあるイタリア・トスカーナ地方のアルノ川流域での水使用削減や、木材やゴムなどの主要原材料の調達における認証品使用の継続、サプライチェーン内での再生可能農業の促進などについて発表している。また、GSKはインドで水ストレスの高い流域にあるナーシクでの直接操業における水利用目標を設定、ホルシムはメキシコのモクテスマ流域での直接操業における水使用削減目標を掲げている。
SBTNのパイロット企業は、目標設定が自社における野心を高め、自然に対する信頼性あるアクションにつながったとともに、測定可能かつ比較可能な標準化されたアプローチの基盤の確立につながると考えているという。SBTNは今後150以上の企業が目標設定を進めると見込んでおり、2025年には海洋に関する目標策定も予定している。