2024年8月28日

科学に基づく気候変動削減目標設定イニシアチブであるScience Based Targets initiative (SBTi)は8月28日、建設業界に対し、ネットゼロ実現に向けた産業別基準を発表した。

SBTiは、建設バリューチェーン内の企業や金融機関向けの行動枠組みとして、脱炭素のための目標設定基準を発表し、ネットゼロ目標に向けた取り組みを求めた。公表された基準では、企業や金融機関は、新たな化石燃料設備を導入しないことを約束し、遅くとも2030年までに排出量を半分に減らすことが求められる。あわせて、原料、資材輸送や建設時に発生する排出量などを含め、1.5℃の温暖化目標を達成するための道筋が示されている。

建設業界はエネルギー関連排出量の4分の1以上を占めるとともに、気候変動の影響を大きく受ける業界でもあり、悪天候による建設の遅れは、既に世界中で何十億ドルもの損失を生んでいるという。今回の新基準はすべてのエネルギー消費や漏出などを対象とした「建物全体でのアプローチ」を採用しており、企業が気候変動による悪影響を回避できるように、その道筋を示している。

企業や金融機関が取るべき重要なアクションとして示された同基準の主要件と推奨事項は以下の通り:
1. 建物使用中の排出量を削減する。
2. 原材料や製造、輸送など建設の初期段階で発生する排出量を削減する。
3. 化石燃料を必要とする暖房や発電などの設備の新設を停止する。
4. 非効率な建物の改修を進める。