RepRisk、グリーンウォッシュの動向に関する年次レポートを発行
2024年10月 3日
スイスのESGテクノロジー企業であるRepRiskは、企業によるグリーンウォッシュ(環境に関する誤解を招く情報発信)についての年次レポートを発行した。それによると、2024年、グリーンウォッシングの件数は6年ぶりに減少に転じ、全体として12%減となった。しかし、リスクの高いグリーンウォッシュの事例は2023年と比較して30%以上増加しており、依然として深刻な問題であることを示している。
地域別に見ると、過去6年間と同様、グリーンウォッシュの発生件数はEUと北米が最も多かった。、特にEUでは、2024年に20%以上の減少が見られたものの、リスクの高い事例は27%増加している。ただしこれは、2022年の220%増、2023年の131%増と比べれば、はるかに幅が小さい。
産業別では、石油・ガス業界が最大の割合を占め、次いで食品・飲料、銀行・金融サービスが続く。銀行・金融サービス業界では、気候関連のグリーンウォッシュが1年間で20%減少した。
レポートでは、規制の厳格化がグリーンウォッシュの減少に貢献していると考察している。EUでは新たなグリーン・クレーム指令が導入され、環境に関する虚偽の主張に対する罰則が強化されているる。一方で、こうした動きが逆に、企業が環境に関する情報を過小報告する「グリーンハッシング」を助長する恐れがあるとも指摘。この傾向は、透明性の低下につながり、持続可能性の進展を妨げる可能性があると主張している。