2016年1月19日

サーキュラー・エコノミーを推進するエレン・マッカーサー財団は、世界経済フォーラムと共同で、新プラスチック・エコノミーの変革を提唱する報告書を発表した。「新プラスチック・エコノミー-プラスチックの未来を再考する(仮訳)(The New Plastics Economy: Rethinking the future of plastics)」と題する同報告書は、プラスチックが決してゴミにならない世界経済の構想を示し、その体系的な変化に必要な具体的ステップの概要を説明している。マッキンゼーがデータ分析、MAVA基金が資金提供で支援を行い、エレン・マッカーサー財団の「プロジェクト・メインストリーム」の一環として作成された。

同報告書は、プラスチック製品や包装が世界経済に多くの利益をもたらす不可欠の存在である一方で、プラスチックのバリューチェーンが現在大きな問題を抱えていることを指摘する。同報告書によると、プラスチック包装材の95%が使い捨てられており、毎年800億-1,200億ドル相当が無駄になっているという。さらに、プラスチック包装材が生む外部不経済も多大で、国連環境計画(UNEP)の控えめな推定でも400億ドルとされている。何の対策も講じない場合、2050年までに海洋には(重量ベースで)魚類よりプラスチックの方が多い状態になり、プラスチック産業が石油生産量の20%、年間炭素予算の15%を消費するようになると警鐘を鳴らす。

同報告書では、「新プラスチック・エコノミー」実現の柱として以下を提案している。
・使用済みプラスチックの効果的な流通経路を確立
・自然界、特に海洋へのプラスチック製品の漏洩を大幅に削減
・プラスチックと化石資源を切り離す