2024年5月22日

国連グローバル・コンパクトは、グローバル・サプライチェーン・フォーラムにおいて、「持続可能なサプライヤーおよび中小企業プログラム」の立ち上げを発表した。プログラムは、グローバルな交流とビジネス行動、各国での実施に向けた独自のプラットフォームを、中小企業に提供するもの。国連グローバル・コンパクトのサンダ・オジャンボ最高経営責任者(CEO)兼事務局長は、「参加企業は、気候アクションの実践、資金調達やレジリエンス強化の方法などを学び、よりインクルーシブでサステナブルな企業となって、自社の事業戦略を企業サステナビリティ関連基準や規制と整合させることができようになる。」と述べた。

中小企業は全企業の90%、世界の総雇用の50%、新興国ではGDPの40%近くを占めていることから、世界のサステナビリティの進展およびインクルーシブな成長において鍵となる存在である。一方で、中小企業はサステナブルな実践やグリーン経済での機会獲得において、多くの課題に直面している。特に、マイノリティが経営する企業にとっては、より深刻だ。資産へのアクセスが限られていることや、信用情報の不足のほか、性別や年齢、人種、性的志向を理由とする差別によって、資本コストが高くなりがちである。

長く中小企業をサポートしてきた国連グローバル・コンパクトが提供する新プログラムの柱となるのは、中小企業およびサプライヤーのコミュニティ「SPARK」である。参加企業は優先サプライヤーとしての地位を確立することができるほか、協働学習と目標をもったアクションを実践するためのコミュニティにアクセスし、スコープ3排出量、腐敗防止、ジェンダー平等、報告とコンプライアンス等、喫緊のサステナビリティ課題に取り組むことができる。