2023年12月 4日

国連グローバル・コンパクト、国連環境計画(UNEP)、および国連気候変動枠組条約(UNFCCC)は、ドバイで開催されたCOP28において第11回「ケアリング・フォー・クライメート(Caring for Climate)ハイレベル会合を主催し、企業、産業界、金融、市民社会、国連、政府の上級幹部と共に、自然・生物多様性に関する民間セクターの行動を加速させる方法および公正なエネルギー移行に向けたビジネス行動について議論した。

国連グローバル・コンパクトのCEO兼事務局長のサンダ・オジャンボ氏は、「現在、約100万種が絶滅の危機に瀕しており、アマゾンの熱帯雨林や主要なサンゴ礁、湿地などの世界最大の生態系が限界点に達している。しかし同時に、私たちは生物多様性の保護と回復を推進するためにビジネスコミュニティが秘めている可能性を目の当たりにしている」と述べた。

生物多様性の損失と生態系の崩壊は、今やビジネスリスクのトップ5に位置付けられている。生物多様性枠組(Global Biodiversity Framework)は、「自然と調和した世界」を目指す2050年までののロードマップを設定し、ビジネスに対して具体的な期待を提示している。

会合では、国連グローバル・コンパクト、生物多様性条約事務局、UNEP世界自然保全モニタリングセンターの連携により、「生物多様性と自然に関する国連グローバル・コンパクト・シンクラボ」が設立された。ラボは、企業が自然・生物多様性に関する影響と依存を評価し、気候や生物多様性、社会に共益をもたらす自然戦略を実施し、ビジネスモデルを変革することを支援する。この変革が、ネイチャーポジティブへの移行によって2030年までに可能であると考えられている3億9,500万人の新規雇用と年間10兆ドルを超えるビジネス機会の創出に貢献することが期待されている。