2023年9月 6日

WRI(世界資源研究所)やIUCN(国際自然保護連合)などの自然保護NGO、研究機関、WBCSDやPRIなどの企業、金融連合など、27の組織は「ネイチャーポジティブ」の定義や整合性、使用に関する合意を推進し、より長期的な取り組みをサポートするための新しいイニシアチブ「ネイチャー・ポジティブ・イニシアチブ」を発表した。

この新たなイニシアチブは、2019年に開始された活動の第2段階であり、気候に関する1.5℃目標に相当する生物多様性の世界目標として、2030年までにネイチャー・ポジティブの達成に向けた取り組みを推進するものである。

生物多様性の損失を回復することは、将来のパンデミックの防止、水と食糧の不安への対処、持続可能で公平な開発の支援、先住民の権利と貢献の認識と対処に不可欠であると認識され、行動を求める声はますます強くなっている。一方で、「ネイチャーポジティブ」が何を意味するのかという明確な理解なしに、これを推進することはできない。定義の明確性や定義の完全性を保つことが、必要な行動と説明責任を確保するための優先事項となっている。

新しいイニシアチブの包括的な目標は、2030年までに自然の損失を止め、反転させるという結果に向け、多くの関係者間での整合性とシナジーを促進することである。主要な活動として、「ネイチャーポジティブ」を、2030年の測定可能なグローバルな目標としての整合性を保つことが挙げられる。共通の定義や指標、標準化されたツール、実践の展開をサポートすることが優先課題となっている。