2023年6月29日

2023年の株主総会シーズンにおいて、日本企業に対するネットゼロ達成に向けた取り組みと透明性を求める株主提案の数が過去最多となった。国際環境NGOのFoE(Friends of the Earth)Japan、特定非営利活動法人の気候ネットワーク(KIKO)らによる、株主が各社の気候変動対策を促進するためのアジア太平洋を拠点としたイニシアチブAsia Shareholder Actionが報じたもの。

気候変動関連の株主提案は年々増加しており、2023年6月後半には、三菱商事、日本最大の発電事業者であるJERAの株を共同所有する東京電力ホールディングスと中部電力、メガバンク3行(三菱UFJ、三井住友、みずほ)の株主総会で気候変動に関する株主提案が提出された。なかにはおよそ20%の賛成票が投じられた提案も複数あり、特に化石燃料への投融資の多い金融機関に対して株主による強い危機感と、日本の銀行も早急に1.5度目標に整合する対策を講じるべき、という考えが背景にあるという。

他にも、トヨタ自動車に対して、気候変動対策における渉外活動に関する年次報告書を作成することを求めるものや、電源開発には2年連続で気候変動に関する株主提案が提出されている。

株主提案は企業の取り組みに対して重要な役割を担っており、情報開示や統合報告書が公開されることによって、さらに改善されることが期待されているという。