2023年6月 8日

デンマークの電力会社オーステッドは、海洋生物多様性への取り組みの拡大や持続可能な海運への移行支援などに充てる資金の調達のため、1億ユーロ(約155億円)のブルーボンドを発行すると発表した。エネルギー関連企業がブルーボンドを発行するのは世界初だという。

オーステッド社は遅くとも2030年開始分から、委託されるすべての新しい再生可能エネルギープロジェクトで、生物多様性にネットポジティブな影響を与えるという目標を掲げている。今回のブルーボンド発行で得られる資金は、塩性湿地や海草の回復、3Dプリンターを活用した人工サンゴ礁による北海の生態系回復、サンゴ礁回復に関わるイノベーションなどに充当される予定だ。また、持続可能な海運については、グリーン海洋燃料の開発で主導的な役割を果たし、海洋船舶の脱炭素化実現を目指すという。

近年、グリーンボンド市場が急速な成長を遂げているが、ブルーボンド市場も今後の力強い成長が見込まれている。オーステッド社のCFO、ダニエル・レロプ氏は、「現在、持続可能な海洋活動においては深刻な資金ギャップがあります。私たちは業界のパイオニアとして、ブルーボンドを導入する時が来たと信じています。さらに、投資戦略を持続可能な目標に合わせ、ポートフォリオを多様化し、成長分野の開拓や海洋資源の保護に関心を持つ投資家の皆様からは大きな注目が寄せられています」と述べた。