マイクロプラスチックが呼吸を通じて空気中から体内に取り込まれていることを明らかにした最新の研究結果が、英国のハルヨーク医科大学とヨーク大学の共同研究チームにより発表された。

これまでにも肺組織から合成繊維が見つかったことはあったが、マイクロプラスチックに関した研究は限られており、今回ほどの確実な結果はなかったため、マイクロプラスチックが人の呼吸器官の健康に与える影響についての今後の研究に示唆を与えるものとされる。報告された研究結果では、13例の治験対象者の外科手術により切断された肺組織のうち11例から39個のマイクロプラスチックが検出された。その約3分の2にあたるマイクロプラスチック粒子が、肺のフィルター機能を通り抜け、肺の奥で分枝化した狭い細気管支の末端において検出されたことは想定外であったという。検出されたマイクロプラスチックは、包装や、ボトル、衣類、ロープ・紐などで一般的によく使われている種類のものだった。

今回の研究は、3月に同共同研究チームが発表した、年間を通した空気中の調査で記録的な高いレベルでマイクロプラスチックの検出が確認された研究結果に続くものである。3月の調査によれば、最も多く飛散しているマイクロプラスチックは、包装容器などの原料であるポリエチレン、衣服に用いられるナイロン、道路やマーキング用の塗料、タイヤゴムの原料である樹脂などだという。