2022年10月 4日

ネスレは、今月新たにNESCAFÉ Plan 2030を公表した。農家がリジェネラティブなコーヒー栽培への転換を行うことを支援し、気候変動対策にも寄与するものとする。土壌を保護するための被覆作物を植え、有機肥料を導入し、生物多様性の保全を高めるアグロフォレストリーや混作を取り入れ、病気や気候変動への耐性を強めたコーヒーの品種への置き換えなどを行う。

ネスカフェの調達の約90%を占める拠点に注力し2025年までに100%を責任調達とすることや、20%をリジェネラティブな農業に転換することを目標に掲げる。リジェネラティブな農業への転換を加速させるため、農家への財務支援スキームのパイロット事業を開始する。リジェネラティブな農業は、土壌の健康や肥沃度を改善し、水資源や生物多様性を保護するためのアプローチであるが、健康な土壌は気候変動の影響へのレジリエンスを高め、収穫高を上げ、農家の生活を改善する手助けにもなるという。また、土壌に炭素を貯留することで、GHGの削減にもつながるため、ネスレのネットゼロ・ロードマップに対する重要な役割が期待されているという。

一方で、グラクソ・スミスクライン(GSK)は、2023年から、サプライヤーがサステナビリティ目標をコミットし、炭素排出、エネルギー、熱、輸送、廃棄物、水、生物多様性の改善を行うことを支援するプログラムを発表。これは気候のネットゼロインパクトと自然へのネットポジティブな戦略的な環境目標を達成するためのGSKの取組の一環を成すものである。

サプライチェーンは、バイオ製薬業界の環境フットプリントにおける重要な比率を占めているという。炭素フットプリントの40%がサプライチェーンにあり、また水、廃棄物、生物多様性における企業の影響の大部分を占めているという。具体的には排出の開示、SBTiの1.5℃目標に沿った削減計画の策定、再生可能エネルギーによる電気や熱への切り替え、水ストレス地域における水ニュートラル達成や廃棄物の10%削減、GSKの責任調達基準への準拠や、輸送サプライヤーのグリーン輸送ソリューションの提供などを支援する。GSKは今後企業のサステナビリティ目標達成に重要な、160のサプライヤーを集め共通の目標に向けどう協働すべきかを議論する。