ISO、COP29で「ESG実施原則フレームワーク」発行
2024年11月14日
国際標準化機構(ISO)は、国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)において、組織がESG開示要件に準拠し、適切に測定し、報告・コミュニケーションするためのガイダンス「IWA48:2024(ESG実施原則フレームワーク)」(以下、「ESG実施原則」)をリリースした。
欧州の企業サステナビリティ報告指令(CSRD)や英国の現代奴隷法など、ここ10年間でESG関連の法令は1.5倍以上に増えたといわれている。そうしたなか、今回公表されたISOのESG実施原則は、組織の規模にかかわらず、より一貫性のある報告ができるようにすることを目的としており、無料で閲覧することができる。
ESG実施原則は、英国規格協会(BSI)、カナダ規格審議会(SCC)、ブラジル技術規格協会(ABNT)などの国家規格機関の共同作業により策定され、128カ国、1,900人以上の業界専門家の意見が反映されている。企業をはじめとしたさまざまな組織が、既存のESG要求事項を統合し、測定可能なKPI(主要業績評価指標)を設定し、ESG実践の成熟度を評価するための標準化された構造を提供している。
ESG実施原則は以下を目的として策定された。
- ESGパフォーマンス管理を支援する
- 既存の開示フレームワークの下の測定と報告を強化し、ESG活動と報告の一貫性、比較可能性、信頼性を世界規模で実現する
- 既存の報告基準と整合させることで相互運用性を促進し、国境を越えたESGコンプライアンスに向けて調和的なアプローチを形成する
- グローバルな一貫性を促進し、世界のどこにおいてもサステナビリティの取り組みについて明確なコミュニケーションを実現する