2024年8月12日

英人権NGOのノウ・ザ・チェーン(KnowTheChain)は、サプライチェーン上流での人権デュー・ディリジェンスに関する企業の活動及び情報開示の実践例を示した「2024年実践ガイド(仮訳)(2024 Good Practice Guide)」を発表した。サプライチェーンにおける強制労働と労働者虐待に関するリスクに焦点が当てられており、強制労働リスクに対処するために、企業が取れるステップの明確なガイドと事例を示している。

同ガイドは、ノウ・ザ・チェーンが、3つのセクター(アパレル・フットウェア、食品・飲料、ICT業界)における多国籍企業の8年間にわたるベンチマークデータを活用して作成された。人権プログラムの策定や改善に関する指針を求める企業内の担当者が参考にすることができる実践例に加え、既存の情報開示を測定するための具体的なベンチマークも提供しており、投資家が強制労働リスクへの対策措置に関する企業の情報開示を評価する際にも役立つ。人権デュー・ディリジェンスに対する意識が高まる中、ガイドで示されている企業の実践例の数々は、収益を犠牲にせずに基準を満たすことが可能であることを示すものである。

また、適切な情報開示は人権デュー・ディリジェンスの重要な要素であり、デュー・ディリジェンス法制下において法的要件となっていることから、ガイドの各セクションでは、各テーマで期待される情報開示の種類と範囲が詳細に解説されている。