2016年10月15日

ルワンダのキガリで開催されたモントリオール議定書締約国会議において、ハイドロフルオロカーボン(HFC)の排出削減を各国に求める議定書改正が承認された。この改正により、引き続きオゾン層を保護しながら地球温暖化0.5℃削減が可能となる。先進諸国は2019年から削減開始、発展途上国では2024年または2028年に使用を凍結し、段階的に削減していく。

HFCは、オゾン層を破壊する物質の代替物質として冷蔵庫やエアコンなどに使用されていて、年10%づつ増え続けているが、CO2の数千倍の強力な温室効果ガスである。最も排出量が増加している温室効果ガスであるといえる。
近年、特に途上国において急成長している中間層の冷房の需要増が一因であり、HFCの排出が増加している。今回の議定書改定では、気温の高い途上国については、削減に猶予を与えた。

さらに、HFC削減のための資金提供についても合意し、2017年の次回締約国会議で具体的な金額を決定する。HFC代替物質の研究開発への助成が最も優先される見込みである。

オゾン層を破壊せず、かつ気候への影響も小さい代替物質の候補としては、アンモニアや二酸化炭素などが挙がっている。超高効率で費用対効果の高い冷却技術の開発も進められており、こちらはHFC排出削減とエネルギー削減の両方から温暖化対策につながる。