2024年1月25日

Global Reporting Initiative(GRI)は、GRI 304(生物多様性2016)を大幅に更新したGRI 101(生物多様性2024)を発表した。改訂されたスタンダードは、昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)、SBTネットワーク、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)など、生物多様性分野での世界の主要な動向を基盤としている。GRI 101は、生物多様性への影響に対する説明責任における新たな世界基準を設定するもので、世界中の組織が事業やバリューチェーンを通じて生物多様性に対する最も重大な影響を包括的に開示することを支援する。

新スタンダードでは、以下の対応が可能となる。

・サプライチェーン全体にわたる透明性
・生物多様性の影響に関する場所の特性を踏まえた報告
・生物多様性喪失の直接的な要因に関する新たな情報開示
・社会への影響についての報告要件

生物多様性が危機に瀕しているなかでの、GRIスタンダードの更新となる。「企業組織が及ぼす影響を理解することは、被害を食い止め、逆転させ、存続の脅威に対処するためのグローバルな解決策を導入する上で重要となる。GRI 101は、組織の運営の内側とサプライチェーン全体の両方で、詳細な場所固有の報告を支援し、ステークホルダーが生物多様性への影響がどのように緩和・削減されているかを評価できるようにするものだ」とGRIの独立審議機関であるグローバル・サステナビリティ基準審議会 (GSSB) 委員長キャロル・アダムス氏は述べた。

GRI 101は現在ダウンロード可能だが、2026年1月1日の報告から正式に発効する。今後2年間で、GRIはGRIコミュニティのメンバーを優先して、早期採用した企業から基準の運用実証を行う。


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