2017年6月26日

電子業界市民連合(EICC:Electronic Industry Citizenship Coalition)は、強制労働の根本原因に対する企業の取り組みを支援する「責任ある労働イニシアチブ(RLI:Responsible Labor Initiative)」を発足させた。このイニシアチブは、EICCが既に持っている国際レベルの基準とプログラムを他の産業にも拡大し、コレクティブ(集合的)な影響力行使および取り組みを通じて変革を促進しようとするものである。

国際労働機関(ILO)によれば、世界全体で約2,100万人が強制労働に従事させられている。EICCのロブ・レデラー事務局長は、「EICCは長年にわたりグローバルなサプライチェーンにおける強制労働問題に先進的に取り組んできたが、変革を加速し労働市場の改革を進めていくには、人員採用ルートを共有する複数の産業全体にわたってデュー・ディリジェンスを調和させる必要がある」と述べる。

RLIは、マルチステークホルダー諮問グループの協力を得て作成された。諮問グループには、国際移住機関(IOM)、人権とビジネス研究所(IHRB:Institute for Human Rights and Business)、公正雇用イニチアチブ(TFHI:The Fair Hiring Initiative)、ヴェリテ(Verité)、企業責任を求める宗派間センター(ICCR:Interfaith Center on Corporate Responsibility)、CH2M、インテル、ウォルマート等の企業が参加した。

なお、このイニシアチブ発足に先立ち、GE、MARS、テスコ等の国際的企業4社が新たに、コカコーラ、HP、イケア、ユニリーバ等7社が参加している「責任ある採用のためのリーダーシップ・グループ(Leadership Group for Responsible Recruitment)」に加わった。同グループは「雇用者負担原則(Employer Pays Principle)」を掲げ、強制労働の主な要因である、移住労働者に採用費用を負担させる慣行を今後10年以内に撲滅することを目指している。