健康への影響の観点から気候変動対応加速を求めるCOP28議長への書簡、世界の医療関係者が支持
2023年11月 1日
グローバル・クライメイト・ヘルス・アライアンス(Global Climate and Health Alliance)とヘルスケア・ウィズアウト・ハーム(Health Care Without Harm)は、2023年12月に開催される国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)のスルタン・アーメッド・アル=ジャベール議長に対する公開書簡を発表した。
書簡では、すべての人々の健康と幸福の実現には安全で安定した気候が不可欠とし、COP28が真の意味で「健康COP」となるためには、気候危機の根本原因である「化石燃料の採掘と利用を継続すること」に対処していく必要があるとし、COP28議長国およびすべての国の指導者に対し、公正かつ公平な形での化石燃料からの脱却を加速することを求めている。二酸化炭素回収・貯留(CCS:Carbon dioxide Capture and Storage)にも触れ、化石燃料の利用を拡大するような信頼性の低い不十分な解決策に頼るべきではないとも述べている。
加えて、タバコ産業がWHO(世界保健機関)のタバコ規制枠組条約に参加することを許されていないように、化石燃料産業の代表を気候変動交渉から排除することにも言及。気候変動の進展に関する世界的な協力を、業界の利益を優先するロビー活動、情報操作、遅延から守ることが不可欠であるとしている。
この書簡は、世界医師会、世界公衆衛生連合、国際看護師協議会など4,630万人の医療専門家を代表する組織や、British Medical Journalなどの医学雑誌によって支持されている。日本からは、日本医療政策機構、一般社団法人みどりのドクターズ(Green Practice Japan)が署名している。