2015年8月13日

国際NPOのCDP(旧カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)は四半期毎にセクター別調査レポートをまとめているが、このたび化学セクターの最新版レポート、「バック・トゥー・ザ・ラボラトリー:世界の化学企業は将来の低炭素社会に向けたイノベーションを進めているか?(仮訳)(Back to the laboratory: are global chemical companies innovating for a low-carbon future?)」を公表した。

本レポートでは、企業の業績に重大な影響を及ぼす可能性のある、温室効果ガス排出に関連する基準にもとづいて、特に排出量の多い大手化学企業18社がランク付けされている。評価項目は大きく以下の6つとなっている。

1.プロセスおよびエネルギーの効率性
2.製品イノベーション
3.サプライチェーンの最適化
4.カーボン・エクスポージャー
5.炭素規制への対応力
6.水リスク

1位は米国のデュポンでサプライチェーンの最適化以外の項目で高い評価を得ている。日本企業は住友化学が4位、三菱化学が7位、旭化成が8位などとなった。日本企業の中での最下位は日東電工で15位にランキング。水リスクが高く、情報の透明性やサプライチェーンの最適化が不足していることなどがその理由として挙げられている。

なお、産業部門による温室効果ガス排出量は世界全体の32%超に達し、人為的な排出源として最大である。化学セクターはこのうちの約15%を占めている。本調査史上、過去最多となる今回の対象企業18社は、合計の時価総額が約5,000億ドルに達し、排出量の合計はCDPの調査に回答した化学企業80社全体の60%を超える。