2021年1月28日

欧州委員会(EC)と各国の消費者当局は、EU消費者法の違反調査である、ウェブサイトのスクリーニング結果を公表した。今回初めて企業の「グリーンウォッシング」に焦点を充てた結果、調査対象の42%に誇張、虚偽、不正にあたる表現が見られ、EUの法律に違反する不正な事業行為となる可能性を指摘した。

本調査は、環境に良い製品を選ぶ消費者の増加により、企業が実情より環境に良いと見せる、「グリーンウォッシング(またはグリーンウォッシュ)」が増えていることを背景に行われたもので、化粧品、衣料、住宅設備など幅広い業界を分析している。

ECと各国当局は、344件の宣伝文句が曖昧であると結論付けており、次の指摘がなされている。
・半数以上で、宣伝文句の正確性を消費者が判断するための十分な情報が提供されていない。
・37%の事例で、宣伝文句に、「配慮した」「エコフレンドリー」「サステナブル」といった曖昧で一般的な表現を含めており、根拠が不確かでも消費者に環境への負の影響がないという印象を与える。
・59%の事例にて宣伝文句を裏付ける確証に容易にアクセスできない。
今後各国当局は、企業に対し、指摘された課題に対処し必要に応じて表現の調整を行うことを促す。

今回の調査結果は、EUのグリーントランジションの達成に向けて消費者の権利や保護を確保する新しい法案において準備中のインパクト評価に活用される。さらに、環境フットプリント評価手法をもとにグリーンな宣伝文句の根拠を示す法案の準備も続く予定。

本調査は、消費者保護および執行のための国際ネットワーク(ICPEN)のもと、EUに限らずグローバルで行われたが、EUと同様の傾向がみられるとのこと。また、ECの行った最近の調査によれば、78%の消費者は家電製品の環境影響は製品を選択する際にとても重要、または極めて重要だと考えているという。