2023年10月23日

TOPIX100の取締役会に占める女性比率を2030年までに30％まで高めることを目的としたキャンペーン、30％クラブジャパンが、レポート「投資家の視点から見たD&I情報開示の好事例」を発行した。

本レポートは、企業のDE&I情報開示のさらなる充実化と、企業とのエンゲージメントなどを通じたD&Iの推進に貢献していくことをねらいとして、投資家の視点から人的資本に対する考え方を再考し､その重要な要素の1つであるD&I（ダイバーシティ＆インクルージョン）の情報開示の好事例と評価のポイントを30％クラブジャパン・インベスターグループがまとめたものである。

投資家視点では、将来の企業価値評価に際して、企業の価値観や目指す姿を実現していくための事業基盤・長期戦略に加え、これらの担い手である人的資本（人財・D&I・モチベーションなど）についても重要な評価要素の1つと位置付けており、これらのつながりの中で人的資本を評価することが重要視される。具体的には、以下の3点に沿った情報開示が企業に期待されている。

1. WHY：経営トップが、企業の目指す姿に向けた経営戦略を説明する中で、なぜ人材戦略が重要なのか、社長メッセージなどで経営戦略との"つながり"をもって説明されているか

2. HOW：経営戦略と重要な"つながり"を持つ人材戦略をどのように実現していくのか、CHRO（最高人事責任者）のメッセージなどを通じて、DE&Iを含めた具体的な方針や、推進体制を開示しているか

3. WHAT：上記の戦略、方針、推進体制を踏まえ、何をすべきかが、具体的な施策や事例、適切かつ具体的なKPIと目標およびその進捗を通じて開示されているか

レポートには、好事例企業として、アステラス製薬、伊藤忠商事、リコーグループ、オムロン、丸井グループ、資生堂、リクルートホールディングス、双日、みずほFG、オリックス、日立の取り組みが紹介されている。