2020年12月 2日

米国大手飲料のペプシコは、2022年までに、欧州連合(EU)の9カ国で販売されるすべてのペプシブランドのボトル容器を100%リサイクルPET(rPET)にするコミットメントを発表した。年間7万トンの化石燃料を原料とするバージンプラスチックが削減され、ボトル1本あたりの炭素排出量はおよそ40%削減される。また、プラスチック廃棄物削減に向け、再利用や再充填(リフィル)システムにも注力する。

ペプシコは、2018年に、EUにおけるrPETの使用率を2030年までに50%にすると発表しており、すでに30%を達成しているが、今回の発表により取り組みは大きく加速する。欧州9カ国のうち、フランス、英国、ドイツ、ベルギー、ルクセンブルクでは、ペプシブランドに限らず、7Up、マウンテンデューなどすべてのソフトドリンクでrPET100%を目指している。ペプシコの新たなコミットメントは、EU市場において2025年までに新規製品に1,000万トンの再生プラスチックを使用するという、欧州委員会の再生プラスチックに関する公約に沿うものとなっている。

また、ペプシコは、プラスチック廃棄物の問題への対応として、リサイクルのみならずイノベーションを通じた包装容器の削減や、容器の再開発を模索している。世界初の完全にリサイクルできる紙製ボトルの新原料開発や、SodaStreamのような再利用モデルへの投資を行っており、2025年までに世界で670億個の使い捨てプラスチックボトル削減を視野に入れている。

さらに、循環経済に向けたマルチステークホルダーとの協力もすすめており、廃棄物の分別を容易にし、リサイクルを促すスマート包装の試験的取り組みを進めるほか、エレン・マッカーサー財団や、国連環境計画(UNEP)、EU循環プラスチック連合(仮訳)(EU Circular Plastics Alliance)などによるイニシアチブに参加している。