2020年11月 5日

エレン・マッカーサー財団は、国連環境計画(UNEP)と共同で「ニュー・プラスチック・エコノミー・グローバル・コミットメント(New Plastics Economy Global Commitment)」(以下、「グローバル・コミットメント」)の2度目となる2020年版の進捗状況報告書を発表した。同報告書は、プラスチック包装市場の20%以上を占める「グローバル・コミットメント」の参加企業・政府が、2025年までのプラスチックに関する目標への取り組みを分析している。

「グローバル・コミットメント」は2018年10月に発足し、プラスチックのサーキュラー・エコノミーの共通したビジョンの下、250以上のプラスチックのバリュー・チェーンに含まれる企業と、金融機関・NGO・教育機関等200以上の賛同機関、20の各国政府や自治体あわせて合計500以上の機関が参加している。そのうち、大規模にプラスチック包装を生産、利用、リサイクルしている118の企業と、17の政府が同報告書に進捗報告を行っている。

同報告書によると、プラスチック包装へのリサイクル物質の組み込み及び、最も問題視されている製品(ポリスチレン(PS)やポリ塩化ビニル(PVC)による包装、検知できないカーボンブラック顔料、使い捨てプラスチックバッグやストロー)の削減、の2点に大きな進展がみられた。他方、プラスチック包装のリサイクル性向上や、使い捨て包装の必要性の低下については進展が限られていた。

「グローバル・コミットメント」発足時に設定された2025年までの目標を達成するためには、その動きをかなり加速する必要がある。同報告書においては分析に基づき、プラスチック汚染撲滅のため企業に対して次の2点を求めている。
―リサイクル可能でない種類のプラスチック包装に対し、リサイクルを行うか、断固としてそれらを利用しない方法を開発する確かなロードマップを作成する
―野心的な削減目標を設定する

また政府に対しては、拡大生産者責任(EPR)のような産業界の公平な負担により、収集や分類に特化した確固たる資金を提供する政策やメカニズムを打ち立てること、プラスチックのサーキュラー・エコノミーのビジョンに基づき、国連環境総会を通じて国際的な方向性を定めて行動フレームワークを策定することの2点を求めている。

また、同財団は10月に、企業のサーキュラー・エコノミーのパフォーマンスを測定できるツール「Circulytics」の改訂版「Circulytics 2.0」を発表した。「Circulytics」は2020年1月に発表されて以来、600を超える企業に導入されている。改訂版は指標をはじめとしてより使い勝手の良い、包括的なツールになっている。

一方で、持続可能な発展のための世界経済人会議(WBCSD)は、今月「2020年サーキュラー・エコノミー・アクションプランー企業向け要綱(仮訳)(the Circular Economy Action Plan 2020 - Summary for business)」を発行し、EUのアクションプランの解説や、業界に特化した視点に言及するなど、企業の行動を促している。