2018年5月 1日

ワークフォース・ディスクロージャー・イニシアチブ(WDI)は、企業の労働関連の情報開示に関する初の調査結果レポートをとりまとめた。同イニシアチブは、責任ある投資を推進する非営利組織であるシェアアクションが、オックスファム等とともに運営している。

WDIによる調査のパイロット年度となる、今回の調査プロジェクトには、英国の国際開発省が資金を提供しており、運用総資産額10兆円を超える96の投資機関の後ろ盾も得ている。欧州・オーストラリア・北米で上場する76社に対して、自社のオペレーションやサプライチェーンにおける多様性、安全衛生、不安定な労働契約、労働者の声などに関する課題や機会にどのように対応しているかについての情報開示を求める質問状が送付された。次回の調査では、世界の株式市場に2018年6月時点で上場する数百社を調査対象とする予定であるという。

今回の調査では、アソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズ、アストラゼネカ、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ、H&M、インディテックス、マイクロソフト、セインズベリー、ヴィンチなど34社が回答した。34社のうち、署名した投資機関だけでなく広く公に情報開示をしてもよいと答えた企業は、わずか7社にとどまったという。

今回の調査のアプローチにおいては、労働分野の報告に関する標準化されたフレームワークの構築に貢献することを目指し、米国サステナビリティ会計基準審議会(SASB)、年金生涯貯蓄協会(Pensions and Lifetime Savings Association(PLSA))、人的資本マネージメント連合(仮訳)(Human Capital Management Coalition(HCMC))をはじめとするガイドライン等を参照している。