WBS、SDGsに最も影響力のある企業「SDG2000」発表
2020年1月20日
持続可能な開発目標(SDGs)の進捗の評価を目的とする国際NGOのWBA(World Benchmarking Alliance)は、より持続可能な未来に向けて最も影響力を持つ、企業2,000社のリスト「SDG2000」を発表した。同リストの企業は、世界経済全体の半分、43兆ドルの収益を占める。日本からは大手企業や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を含む178社がリストに掲載されている。
SDG2000の企業は主要な変革分野である「食糧システム」「脱炭素及びエネルギー」「サーキュラー(循環)」「デジタル」「金融」「都市」「社会」の7分野において最も影響力を持つとみなされ、今後これらの企業のSDGsへのパフォーマンスと影響(インパクト)をランク付けし公開していく。WBAのディレクターであるPaulina Murphy氏は、最も緊急で取り組みが必要な課題として、「不平等」、「気候変動」、そして「生物多様性の喪失」を挙げた。
SDG2000の特徴としては以下が挙げられる。
・世界の74カ国に拠点を置く企業が含まれる
・4分の1が新興市場を拠点とする一方、最も影響力のある企業は米国、EU、中国、日本に多数ある
・直接的またはサプライチェーンを通じて影響力を持つ、さまざまな業界が含まれる
・7つの変革分野のうち4分野にわたる多角的な影響力を持つ企業には、グレンコア、タタ・グループ、三菱商事、華潤創業(China Resources)など多数ある
・循環経済の変革に影響力を持つ企業が最も多く750社ある
SDG2000の選定には、まず7つの変革分野に対する正/負の影響力を持つ業界を調査した。次に、この業界内で、5つの基準に照らして2,000社を選定した。5つの基準とは、「該当企業のグローバル生産と収益のセクター占有率」、「生産/サービスセグメントにおけるグローバルな支配力」、「エコシステムやサプライチェーンへの影響力」、「グローバルなガバナンス・プロセスと制度」、「フットプリント」のこと。