WBCSD、COP26で「気候回復のためのビジネスマニフェスト」を発表、企業貢献の初の標準化を呼びかけ
2021年11月 3日
持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)は、国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)において、「気候回復のためのビジネスマニフェスト(仮訳)(The Business Manifesto for Climate Recovery)」を発表。世界的な気候回復において、民間セクターが果たす貢献を測るための新たな仕組みの開発を呼びかけた。
今世紀の気候回復を達成するためには、政策立案者とビジネスリーダー間の協力が不可欠だが、これまでは、公的部門の貢献を測る「国が決定する貢献(NDCs:Nationally Determined Contributions)」メカニズムしか存在しなかった。そこでWBCSDは民間セクターのビジネス進捗状況や目標、成果を把握していくため、本マニフェストを通じて、「企業が決定する貢献(CDCs:Corporate Determined Contributions)」の新たなグローバルフレームワークの策定を呼びかけた。マニフェストはグローバルな要請を踏まえGHG排出量の削減、除去、報告義務に関する、政策的要求と紐づく12の優先行動原則で構成される。
CDCは、NDCに合わせた気候変動対策を評価する共通の仕組みであり、COP年次評価で報告された目標と排出削減の進捗状況に基づいている。こうした透明性が高く測定可能なアプローチを提供することで、企業は規制当局、政策立案者、および消費者との信頼を築き、グリーンウォッシングの不当な非難を回避することが可能になる。