WBA、海の生物多様性保全に向けて調査対象セクター拡大
2024年3月11日
世界の生物多様性の80%は海が占めている。健全な海は、地球上の生命にとって不可欠であり、気候調整や食糧供給においても重要な役割を果たす。World Benchmarking Alliance(WBA)は、水産物セクターの海への影響を調査するため、2019年に初めて「Seafood Stewardship Index」を発表。2023年は、セクター内で最も影響力のある30の企業を、ガバナンス、環境、社会に関するトピックで評価・ランキングしたバージョンを発表した。
2022年および2023年の自然ベンチマークの結果から、海洋の生物多様性の損失に対する行動は、陸上や淡水に対する行動に比べて遅れていることが示されている。特に、海洋内で直接的に活動を行っているわけではないセクター(海運、アパレル農業等)では、海洋生態系への影響に十分な注意が払われていないことが分かった。このため、WBAはSeafood Stewardship Indexよりも調査範囲を拡大し、民間セクターの海の健康への影響を測定するとしている。
たとえば、食料・農業ベンチマークを通じて、水産物のサプライチェーンの川下企業と川上企業を調査対象に加える。また、自然ベンチマークの一環として、海洋生態系での自然損失を止め、反転させるための貢献について、主要セクターの少なくとも100社を評価する。これらの評価は2026年第1四半期に発表される予定であるが、それまでWBAは企業およびステークホルダーとのエンゲージメントを続け、民間セクターにおける食品システムおよび海の持続可能性への貢献を改善するための指南を進める予定である。