2021年3月 4日

企業のSDGsインパクト評価を推進する国際NGOのワールド・ベンチマーキング・アライアンス(WBA:World Benchmark Alliance)は、持続可能な開発目標(SDGs)のために変革が必要な分野などの複数のベンチマークのメソドロジーについて改訂内容を含む詳細を解説した報告書を相次いで公表した。なお、今年1月に公表した社会変革フレームワークの日本語訳も3月11日に公表している。

・食と農業ベンチマークに関するメソドロジー報告書「Methodology for the Food and Agriculture Benchmark: A roadmap for corporate action」(2月24日公表):
食と農業ベンチマークは農場からフォークまでの食と農業システム全てに渡り企業を評価するもの。2021年は350社の企業を評価予定。同メソドロジーとベンチマーク評価は、企業に求められているロードマップを示すものでもある。報告書はメソドロジーの開発プロセスや指標、スコアリングや重み付けのアプローチ、ベンチマーク評価に向けたスケジュールなどを解説している。評価結果は2021年秋の国連フードシステムサミットでの公表を予定している。

・石油ガスセクターの気候とエネルギー・ベンチマークに関するメソドロジー報告書「Methodology report: Climate and Energy Benchmark in oil and gas sector」(2月24日公表):
同レポートは、なぜ同セクターでベンチマークを実施しているかの理由やメソドロジー、及び2021年のベンチマークに含まれる100社の企業を選定するための原則、そして評価対象企業が提示されている。同ベンチマークは企業がSDGsやパリ協定の目標達成のためにどのように貢献できるかを示すロードマップとして活用できる。

・シーフード・スチュワードシップ・インデックスに関するメソドロジー報告書「Methodology for the Seafood Stewardship Index」(3月4日公表):
同インデックスとメソドロジーは企業がスチュワードシップ責任を果たすよう導くもの。環境や社会へのインパクトを認識するとともに、これらの影響評価から効果的かつ意味のある活動を実施することで、負の影響の軽減だけでなく、資源(人的資源を含む)を尊重・保護する産業への転換を目指している。今回の改訂版のメソドロジーでは、インパクトとパフォーマンスへの貢献に重み付けを大きくしている。評価結果の公表は2021年秋を予定。

その他、サーキュラー(循環)のベンチマークのメソドロジーは2021年5月に、ファイナンシャル・システムのベンチマークのメソドロジー及び、デジタル・インクルージョンの2度目のベンチマーク評価に関する報告書は今年終わりに公表される見込み。