UN、気候行動サミット開催報告、各国政府・企業らのコミットメント
2019年9月23日
2019年9月23日に、ニューヨークで国連の気候行動サミットが開催され、77カ国が2050年までに温室効果ガス排出をネットゼロにするとのコミットメントをし、70カ国は2020年までに国家行動計画を拡充するかその予定であるとした。
今回発表されたさまざまな行動計画については、国連がその実行をサポートすることを国連事務総長が約束し、12月にチリで開催予定のCOP25で最初の報告書が発表される予定である。
各国による主な発表は次のとおり。
・フランス:パリ協定に反する政策をとる国とは通商条約を結ばない
・ドイツ:2050年までにカーボン・ニュートラルとする
・英国:2020-2050年の国際的な気候関連融資を全体で倍増し116億ポンドに
・インド:2020年までに再エネ電力を175GWに、将来的には450GWへ
・中国:年間の排出量を120億トン以上削減する
・EU:予算の少なくとも25%を気候関連の活動に支出
・ロシア連邦:パリ協定を批准する(加盟国は187カ国に)
・パキスタン:今後5年に100億本の植林を実施
さらに、途上国の適応と緩和に財政支援をするグリーン気候ファンドへの出資を新たに12カ国が発表。最近ノルウェー、ドイツ、フランス、英国が当ファンドへの出資額を倍増することを発表していた。
民間セクターも次のような大胆な行動計画を発表。
・世界の運用資金総額2兆ドルの機関投資家のグループが、2050年までに投資ポートフォリオをカーボン・ニュートラルに
・時価総額合計2.3兆ドル以上の87企業が、気温上昇1.5℃未満に整合させた温室効果ガスの排出削減を
・世界の銀行セクターの3分の1にあたる130の銀行が、事業をパリ協定の目標に整合させるとの署名
グリーンエネルギーへの移行に関する動きとしては、マイケル・ブルームバーグ氏が石炭火力発電所の閉鎖への資金的支援を30カ国に拡大する。すでに米国では530カ所のうち297カ所の閉鎖を支援。また、フランスやニュージーランドなどは、自国の陸上・海上における石油・ガスの採掘を不許可とすると発表。
2025年までに1兆米ドルを直接クリーンエネルギーに投資する「気候投資プラットフォーム」が正式に発表された。最初の年は後発開発途上国20カ国に投資していく。
今回のサミットを前に、世界の515の機関投資家のグループであるThe Investor Agendaが各国政府に対し、パリ協定の目標達成に向けて早急な行動を求める共同声明を発表した。6月の同グループによる声明を更新したもの。