SBTi、「IPCC 1.5℃特別報告書」に基づき認定基準を改定 2℃は今後認定しない方向
2019年2月20日
企業の二酸化炭素削減目標を支援する国際的なイニシアチブ「SBTi(Science Based Target initiative:科学と整合した目標設定イニシアチブ)」は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2018年10月に発表した「1.5℃特別報告書(Special Report on Global Warming of 1.5°C)」に基づき企業の目標に対する認定基準を改定すると発表した。
新しい認定基準や技術資料は、2019年4月に公表される。また、今世紀末までの地球温暖化を産業革命以前の気温から「2℃を十分に下回る(well-below 2°C)」シナリオに沿った目標を企業が設定できる資料も公表する。後者は、新認定基準において満たす必要のある最低の要件となる。
今後は「well-below 2°C」または「1.5℃」の温暖化シナリオに基づき、目標が認定されることとなる。これまでの「2℃」シナリオに基づいた目標は認定されなくなる。また、企業の目標が最新の気候科学に沿って確実に維持されるよう、目標の認定を受けた企業は5年ごとのレビュー、または必要に応じた再認定が求められる。またこれらは2025年からは必須要件となる。
SBTiは、CDP、国連グローバル・コンパクト、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)による共同イニシアチブである。気候に関する最新の科学的知見に基づいて科学的根拠に基づく目標設定におけるベストプラクティスを定義し、評価基準に照らして企業の目標を独自に評価する。2015年の発足以来160社以上の目標を認定し、さらに350社以上が2年以内の目標設定をコミットしている。