2018年7月 9日

「SBT(Science Based Targets)(科学的根拠に基づいた目標設定)」イニシアチブは、SBTを採用することで期待できる企業の利点について調査結果を発表した。本調査は、SBTを採用する企業185社の経営者を対象に、調査会社ユーガブ(YouGov)が実施したアンケート調査に基づくもので、企業にとっての利点として以下の6項目を挙げている。

1. ブランドの評判:エシカル・コンシューマリズム(環境や社会に配慮した商品を選択する消費者行動)が広がる中、回答者の79%がSBT採用によりブランドの評判が高まったと回答した

2. 投資家の信頼:投資家の間で、企業の環境方針を投資判断に組み込む動きが広がっていることから、52%がSBT参加により投資家の信頼が高まったと回答した

3. 規制への対応:各国政府が排出量規制の引き締めを進める中、回答者の35%が、科学的根拠に基づいた目標設定をすることで将来の規制強化に備えることができると回答した

4. イノベーションの促進:低炭素経済への移行に、企業戦略を合致させることは大きな機会であり、回答者の63%が低炭素戦略の採用により社内でイノベーションが進んでいると回答した。また50%を超える回答者が、2030年までに自社製品・サービスの半数以上を低炭素化する見込みだとしている

5. 収益性向上:環境に配慮したビジネスモデルは高コストと考えられがちであるが、回答者の29%がSBT採用により収益性が向上したと回答した。野心的な目標を達成することで事業の効率向上が必須となり、資源が枯渇し、コストが高騰する未来予測に対してレジリエンスを構築できるとしている

6. 競争力向上:回答者の55%がSBTへの参加は、競争上有利であると回答した