SASB、インフラ分野の会計基準案を発表、全セクターの基準が揃う
2016年3月30日
米国の非営利公益法人サステナビリティ会計基準審議会(SASB)は、新たにインフラ関連セクター8業種に関する会計基準案を公表した。SASBがこれまで進めてきた業種別会計基準案の策定作業が、これで完結し10セクター70業種の基準案が揃った。
今回公表されたのは以下の業種に関する基準。
・電気公益事業
・土木・建設サービス
・ガス公益事業
・住宅建設
・不動産所有開発・投資信託
・不動産サービス
・廃棄物管理
・水道公益事業
これによりインフラ分野でも、米国で提出を義務付けられているForm-10や20-Fなどの決算書類の中に、SASB基準を用いて自主的に投資家に向けた情報開示を行うことができる。産業ごとに設置されたトピックや指標は73%が定量的なものである。コスト効率を高めるため、SASB基準は既存の業種別サステナビリティ評価基準に足並みを揃えた内容となっている。
SASBではエビデンスと合意に基づく基準策定を原則としており、インフラ分野では資産総額524兆ドルに上る上場企業と、運用資産総額2.3兆ドルの投資運用会社合わせて437社の関係者がワーキンググループに参加した。4月7日からパブリックコメントの募集が開始する。SASBでは今後徹底的な審議により、公表された基準の有益性とコスト効率についてフィードバックを募る。