PRI、署名機関に対し最低履行要件を設定
2018年1月 4日
責任投資原則(PRI)は、2018年からPRIへの署名機関のうちアセットオーナーと運用会社に対して最低履行要件を導入した。PRIは、エンゲージメントを通じその履行を促していくが、2020年までに要件を満たさない機関は除名される。
最低履行要件は、
-運用資産総額(AUM)の50%を超える運用をカバーする責任投資(RI:Responsible Investment)ポリシーの制定
-内部/外部スタッフによるRIポリシーの実施
-RI実施に関する経営陣のコミットメントと説明責任メカニズム
の3点である。
署名機関に義務付けられた年次報告に基づき、最低履行要件を満たしていない機関には、2018年4月の年次報告提出期限から6週間以内にPRIから個別に通知を受ける。その後の2年間はエンゲージメント期間とされ、その期間に要件を履行しない場合は除名となる。PRI理事会はエンゲージメント期間中にある機関や除名された機関の数を公表し進捗報告を行っていく。理事会により除名が承認された機関は公表されるが、自主的に退会した場合はその機関名は公表されない。
除名された機関は、除名後1年以上経過してから再署名が可能となるが、最低履行条件を満たしている証拠の提出が必要となる。また、再署名の翌年から年次報告の提出が義務付けられ、初回のような報告猶予期間はない。