2017年5月22日

責任投資原則(PRI)は、今後10年間の優先項目をまとめた文書「責任投資のビジョン(Blueprint for responsible investment)」を発表した。2016年に設立10周年を迎えたことを機に、アンケートやインパクト評価、討議により、署名企業・機関が重要と考える課題への取り組みに、どのようなイニシアチブが役立つかを検討し、今後10年間の構想文書としてまとめた。

PRIは長期的価値を重視する持続可能な世界金融システムの実現を目指している。同文書はこの目標実現に向けて署名企業・機関を支援する活動を進める上での指針となるもので、以下の3つの影響分野に焦点を当てる。
・責任ある投資家:長期的な価値を追求する責任ある投資家をリードし、インベストメント・チェーン全体の協調を促進するという中核的活動を強化・拡大する
・持続可能な市場:市場の持続不可能な側面の是正に取り組み、経済効率性が高く持続可能なグローバル金融システムを確立する
・すべての人々のための真の豊かな世界:現在と将来の世代のため、署名機関が現実社会を改善し、真に豊かで包括的な社会に貢献するような投資活動ができるように支援する


また、今後10年間の優先分野として以下の9つを掲げている。
・アセット・オーナーの影響力を強化する
・投資家によるESG課題の組み入れをサポートする
・アクティブ・オーナーシップのコミュニティを育成する
・説明責任を強化してリーダーシップを発揮する
・責任ある投資家への啓蒙活動を行う
・持続可能な金融システムへの障壁に挑む
・市場に意味のあるデータを普及させる
・気候変動に対する対策を推進する
・SDGsが実現される世界を目指す