2019年7月 4日

英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のグランサム研究所は、新たな報告書「気候変動訴訟の世界動向:2019年のスナップショット(仮訳)(Global trends in climate change litigation: 2019 snapshot)」を発表、気候変動関連の訴訟が少なくとも28カ国で行われていると報告した。

報告書はロンドン市長と大ロンドン庁(GLA)が主催する気候活動週間に発表された。訴訟の原告は、市民や非政府組織、企業、地方政府などで、気候変動に対する対応措置を行わないことや、健康や生活に甚大な影響を与える気候変動に加担しているなどの理由により、企業や政府を訴えている。

報告書は、1990年以来記録されている気候変動関連の訴訟について分析している。こうした訴訟は全体で1,328件であり、米国が1,023件と最も多いものの、他の国々でも拡大していることが示されている。特に、2015年以降はインドネシア、南アフリカ、ノルウェイ、コロンビアでも初の提訴が記録されている。

最大件数の米国では、1990年から2016年までの873件については勝訴が224件、敗訴が309件と、敗訴が優勢であった。しかしながら、トランプ政権の最初の2年間にあたる2017年、2018年は、勝訴が129件(84%)、敗訴が25件(16%)と、勝訴するケースが増加している。米国以外では1994年から2019年5月までの気候変動関連の訴えについて43%が勝訴、27%が敗訴となっており、勝訴の割合が高い傾向がある。

報告書では、「気候変動対策について、政府や企業に責任を問うことは世界的な現象になっている。企業はつい最近まで気候変動の訴訟をリスクと捉えていなかったが、今やすべての企業が考慮しなければならなくなった」と述べている。