2019年7月 2日

英国政府は、同国の強くて持続可能、バランスの取れた経済成長と産業戦略の実現、気候変動や環境、持続可能な発展に関する内外のコミットメントを推進するためのガイダンス「グリーンファイナンス戦略」(以後、戦略)を発表した。戦略は民間セクターや幅広いステークホルダーの意見と、2018年3月に発行されたグリーンファイナンス作業部会の提言を取り入れている。

政府、規制当局、民間セクターの協力で作られたこの戦略は、以下の3つの主要な要素から成る。

・金融のグリーン化(greening finance):現在及び将来の気候変動及び環境のファクターからのリスクと機会をメインストリームの金融意思決定に統合していき、グリーンな金融商品の市場を事実上活発にしていく。
・グリーン事業向けの金融(financing green):国際的な目標はもとより、英国の炭素目標とクリーン成長、レジリエンス及び環境の野心的な目標を実現するための金融を加速する。
・機会の取り込み(capturing the opportunity):英国の金融サービスが、気候関連の情報・分析など「金融のグリーン化」と新しいグリーン金融商品・サービスなど「グリーン事業向けの金融」から生じる国内外の商機を確実に取り込んでいく。

また、戦略の中で、英国政府はロンドンの金融地区であるシティ・オブ・ロンドンとともにグリーン金融協会(Green Finance Institute :GFI)の設立を発表した。GFIの設立は、グリーンファイナンスの成長と英国の低炭素経済を加速する目的で設置されたグリーンファイナンス作業部会の提言を取り入れたものであり、戦略の実現に重要な役割を果たしていく。GFIは英国内の能力を結集し、新しい事業機会を創造し、市場に広くロンドンのグリーン金融のオファーを知らせていく。さらに、特にグリーンファイナンスの需要が高まっている新興市場などにおいて、金融サービスに関する英国の国際的な関与についても重要な役割を果たしていく。