2019年6月 3日

使い捨てプラスチックを減らす取り組みは飲料・食品を扱う業界をはじめ各社で広がりをみせ、大手飲料メーカーからこれまでにない取り組みを競う意欲的な目標が相次いで更新されている。

■飲料業界
ネスレの北米飲料事業を担うネスレウォーターズ・ノースアメリカは、米国でのミネラルウォーターの主力ブランド「ポーランド・スプリング」に使われるペットボトルを、2022年から100%再生プラスチック(rPET)による生産に切り替えることを発表した。今月より同ブランドの1リットル容器が先行して100%再生プラスチックに切り替えて生産開始され、2022年までに1ガロン以下のすべての容器に適用される。主力ブランドの中で、炭酸水を除くミネラルウォーター事業において世界初の再生プラスチック100%にて生産するブランドになることを目指す。100%再生可能な素材を使用した容器を100%再生するサイクルに乗せることで、完全な循環経済の達成を視野に入れている。ネスレウォーターズ・ノースアメリカでは、2021年までに同社ポートフォリオの25%を、さらに2025年までに50%を再生プラスチックにする目標を打ち出している。

一方サントリーでは、先月末、新たに「プラスチック基本方針」を策定した。PETのリサイクル工程の効率化を進める「FtoP製造ライン」の増設をはじめ、2030年までにグローバルで使用するすべてのペットボトルに、リサイクル素材あるいは植物由来素材のみを使用するとした。化石由来原料の新規使用をゼロにすることで、「100%サステナブル化」を目指すとしている。

■航空業界
航空業界では、今月、エールフランスが今年末までに機内で用いられる1,300トンもの使い捨てプラスチックの使用をやめ、バイオ素材などの持続可能な代替品に切り替えることを発表。これは、2019年末までに2億1千点もの使い捨てプラスチックアイテムに相当するという。使い捨てプラスチックアイテムは、それぞれ紙カップ、バイオ素材のカトラリー、または木製のマドラーに置き換わる予定である。