2016年7月13日

自然資本連合(NCC:Natural Capital Coalition)は、ロンドンで開催された発表イベントで自然資本プロトコル(Natural Capital Protocol)を発表した。同プロトコルでは、自然資本を気候、水、エネルギー、生物多様性、廃棄物という環境諸問題と統合し、1つの戦略的アプローチを形成させることを視野に入れている。同プロトコルは企業が自然資本を評価、数値化し、この情報を事業方針決定に統合するのに役立つ国際標準枠組みである。

自然資本連合が2013年に発表したレポートによると、将来市場メカニズムや公的規制、課税などにより企業が自然資本コストを負担するようになった場合、利益総額の半分が失われる可能性があるという。自然資本プロトコルを採用することで、企業が世界環境の持続可能性への貢献と、業績や事業安定性の向上を両立させることが可能になるという。同プロトコルは、38団体が主要開発チームとして関わる自主参加の官民共同プロジェクトとして、2年間かけて策定された。450を超える団体が策定プロセスに関与し、ダウ、シェル、コカコーラなど50社以上の企業が試験運用に参加した。